インピーダンス式体脂肪計はこんなにもあてにならない、という話

元ビルダーで運動オタクのわたくしの家には、体脂肪計がありません。そっち方面(体脂肪率と健康について)を専門に研究している先輩から、「ご家庭用のインピーダンス式の体脂肪計なんかあてになるか、バカ者! どうしても体脂肪量が測りたければいつでもウチの大学に来い、プールに頭のてっぺんまで全部沈めてやる*1」とこんこんと諭されているというのがその理由ですが、最近、「インピーダンス式はこんなにもあてにならない」という良い例をトレーニング関係の書籍の中に見つけました。以下、『使える筋肉・使えない筋肉』(谷本道哉、山海堂)p216より引用。


体脂肪計にまつわるこんな面白エピソードが実際にありました。
私(引用者注:著者の谷本道哉氏のこと)の知り合いで含水量の変化をうまく使ってグアム旅行を当てた人がいます。あるジムで体脂肪キャンペーンという企画がありました。キャンペーン中に一番体脂肪率を下げた人にグアム旅行が当たるというものでした。その人は私の助言に従い、減量前には一日水を飲まず多量の食事の直後に体脂肪率の測定をしました。測定値は30%を超えていました。
そして減量後の測定では多量の水と保水作用のある塩分とクレアチンをとり、そのときの体脂肪計は腕で測るものであったので、徹底的に上腕、前腕をトレーニングでパンプアップさせてから測定しました。測定値は5%以下でした。実際にはそれほど体脂肪は落ちていませんでしたが、体脂肪計の性質を熟知していたおかげでグアム旅行に行くことができたのです。
30%から5%以下て。インピーダンス式の体脂肪計って、ここまで簡単に欺ける*2ものだったのか!

前述の先輩によると、「キャリパーで皮脂厚を測って計算する昔ながらのやり方の方がまだ正確」とのことです。そりゃそうだ、含水量と違って皮脂厚はそう簡単には変化させられないもんなあ。というわけで、うちでは体脂肪の変化は「風呂場の鏡で腹筋のキレ具合をチェックする」だけにとどめています。意外とこれでなんとかなるもんです。

*1:水中体重秤量法のこと。今ではポッドに入って空気圧の変化で測定する機械もあるそうですけど。

*2:欺くつもりはなくても、手足の含水量が変化するだけで値が変わってしまうところが問題なんですよね。もちろん、「なるべく体内の条件を同一にそろえて、個人的な日々の変化をとらえる参考にする」という使い方をするなら、インピーダンス式体脂肪計にも意味はあると思いますけど。