ビリーズブートキャンプ・効果を上げるためのTIPS

ビリーズブートキャンプを1ヶ月半やりこんでまとめた、怪我予防と筋トレ効果アップのためのTIPSです。「ビリーやってるけど、あまり効いてない気がする」「怪我した」「字幕なし版なのでコツがよくわからない」というような方のために書いてみました。

怪我をしないためのTIPS

1. 関節をロックしない

「ロックする」とは、関節を完全に伸ばして「カキッ」と止まる状態にすること。たとえばスクワットで立ち上がるときや、トライセップス・キックバック(上体を前にかがめて腕を後ろに振り上げ、肘を曲げ伸ばしする運動)で肘を伸ばすときなどにやってしまいがちなのですが、これは関節を痛める原因になります。完全に伸ばした状態まで持っていくと、関節が衝撃を吸収しきれないからです。
怪我をしないためには、「100パーセントではなく、95パーセント伸ばした位置で止めるようにする」ということを心がけると良いと思います。コンバット・キックやパンチなども、すべて95パーセントの位置で止めるようにします。

2. 反動を使わない

各種目で腕や脚を振り上げたり、上体を起こしたり(腹筋種目など)するときは、極力反動を使わないようにします。反動を使うと怪我しやすい上、筋トレ効果も半減してしまうからです。あくまで筋肉の力でコントロールし切って「じわっと持ち上げてじわっと下ろす」つもりでやると吉(素早い動作でも、力を抜かずに全部自分でコントロールするのがコツ)。なお、特に下ろすときに力を抜いてしまうと、つい反動に頼ってしまいがちになるので要注意です。

3. 息を止めて力まない

息を止めて力むことを怒責(どせき)といいます。怒責に頼ると瞬間的に大きな力を発揮することができますが、血管や心臓に多大な負荷がかかるし、場合によっては失神してしまうこともあって危険です。ビリー中は息を止めずにシェリーたちと一緒にカウントするか、カウントと同じタイミングで積極的に息を吐くようにしましょう。

4. それでも怪我をしてしまったら

受傷後すぐに(遅くとも30分以内に)負傷箇所をアイシングしましょう。いきなり温めたり揉んだりすると、かえって悪化しかねません。アイシングのやり方については、たとえばこちらのページに詳しく載っています。

アイシングしてもおさまらない痛みの場合は、早めに整形外科へ。関節や靭帯の怪我は、完全に元に戻るまで最低4週間かかると言われています。早期に正しい治療とリハビリをすれば、その部位の周辺をかえって痛める前より強くすることもできますが、痛みをごまかして無理に運動し続けると、何度も同じ箇所を怪我してしまう恐れがあります。

筋トレ効果を上げるためのTIPS

1. スクワットを正しいフォームで
  • 膝が常につま先の上にあるようにする
    • つま先より前に出したり、立ち上がるときに内側に絞ったり、また左右にねじったりしてはいけません。膝を痛める原因になります。
  • 上半身を前に倒さない
    • しゃがみながら前に倒れこんでしまうと、上体のあおりを使って楽をしながら立ち上がることになり、せっかくの下半身への負荷が逃げてしまいます。常に胸を張って、出来る限り垂直に近い位置を保つようにしましょう。
  • かかとを上げない
    • かかとを上げるとフォームが安定せず、危険です。くるぶしの関節が硬い人は、かかとの下に板などを敷くか、足幅やつま先の向きを変えてみるといいと思います。
  • しゃがむ深さを適正に
    • 腿が床と平行になる位置まで落とす(パラレル・スクワット)のが基本です。それ以上深くしゃがみ込むと、怪我をすることがあります。
    • 筋力が弱くてパラレル・スクワットができない人は、膝の角度が90度ぐらいの「ハーフ・スクワット」でも充分効果があります。無理をして上体を倒したり膝をねじったりするより、この方がよほど安全で、筋肉も鍛えられます。
2. 腹筋種目を正しいフォームで
  • 仰向けでやる種目では、頭や肩甲骨を床につけない
    • これはビリーも言ってますね。頭や肩甲骨を床につけてしまうとそこで腹筋が弛緩して運動効果が下がってしまいますし、第一腰を痛めやすくなって危険です。
  • クランチ系の種目では、胸骨と恥骨を近づけるつもりで腹筋を収縮させる
    • 単に漠然と「体を持ち上げる」とか「体を丸める」とかではなしに、胸骨と恥骨を最大限に近づけるつもりでギューッと腹筋を収縮させると効果大です。なお、「腹筋プログラム」のアブドミナル・アンド・サイ(立った状態で片脚を前に出し、両手を頭の横に添えて腹筋を収縮させる種目)では、体を丸めつつ骨盤を後傾させて恥骨を上に引き上げるようにするとよく効きますが、これも胸骨と恥骨が近づく動きだからです。
  • 外腹斜筋(脇腹の腹筋)の種目では、脇の下と腰骨を近づけるつもりで筋肉を収縮させる
    • これもビリーが言っている通り。漫然と肘と腰を近づけるのではなく、脇の下と腰骨を近づけるつもりで外腹斜筋をギューッと固めるとよく効きます。
  • 反動をつけない
    • 特にレッグレイズ系の種目など、変に反動をつけて勢い良くやると深部腹筋を捻挫したりします。あくまで筋肉の力だけでコントロールして上げ下げするようにしましょう。
3. 筋肉のテンションを解かない

たとえばビリーの言う「バタフライ」や「アウトサイドフライ」では、手をいちばん下の位置まで下ろすと、そこでターゲット筋肉(この場合は三角筋など)の緊張が解けてしまいます。言い換えると、そこで筋肉が怠けてしまうわけです。
あえて手をそこまで下ろさず、終始筋肉のテンションを保ったまま動作すると、激烈に効きます。他の種目でも、なるべく筋肉のテンションが抜けない範囲だけで反復するようにすると効果大です。たとえばトライセップス・キックバック(前かがみで肘を曲げ伸ばしする、上腕三頭筋の種目)で、前腕が床と垂直の位置にくるより前に止めてまたギューッと腕を振り上げてみてください。完全に下まで下ろしてしまう時より、はるかに効くはずです。ミリタリー・プレスも、両手を肩の位置まで下げてしまうのは下ろしすぎ。耳の横の高さで止めて、そこからまた上にプレスするようにするとよく効きます。

4. フォームを鏡でチェックする

理想的にはビリーをやる部屋に大きな鏡を置くのがベスト。正しくやっているつもりでも、客観的に見たら変なフォームになっているということはままあります。
それが駄目ならせめて、洗面所の鏡でも三面鏡でもいいから、鏡の前でときどき各動作のチェックをしてみると吉かと。なお、ビリーの動きには通常の筋トレと共通する動作も多いので、ネット上の筋トレサイトで各種目のコツを調べてみるのも良いでしょう。中には動画でフォームの解説をしているサイトもあり、勉強になります。

5. 適切な休息をとる

超回復には最低24〜48時間の時間が必要です(運動不足の人はもっと必要だという説も)。筋肉痛がひどい時に、無理して同じ部位を鍛えると、オーバートレーニングでかえって筋肉が減ってしまいます。思い切って休むこともまたトレーニングです。
そうは言っても、せっかく運動が楽しくなってきた時期にじっと休むのはつらい時もあります。そこで、筋肉痛の日には、痛くない部分だけ鍛えるのがベスト。たとえば下半身が筋肉痛なら、ビリーは休んで腕立て伏せだけするとか、「腹筋プログラム」で腹筋だけ鍛えてみるとかすると良いでしょう(ちなみに腹筋はとても回復が早い部位なので、腹筋だけは例外的に毎日鍛えまくってもOKです)。または、軽めのウォーキングやエアロバイクなど、筋肉の負担の少ない有酸素運動をしてみるのも手です。

6. 適切な栄養をとる

激しい筋トレをする人は、体重1kgあたり2gのタンパク質をとる必要があります。わざわざプロテインアミノ酸を買わなくても、食事に気をつければ充分とれる量ですが、どうしてもという場合は成分をよく調べてから購入するようにしましょう。ただの昔ながらの大豆プロテイン(=吸収が遅い)を「ダイエットに最適!」などという謳い文句で高い金とって売りつけようとするアホ業者はどこにでもいます。日本でよく売ってるメーカーだと、ウィダー、健体、ザバスあたりならどれを買っても安心だと思います。