「同性婚は子供がつくれないから認めるべきではない!」派の人って……

同性婚は子供がつくれないから認めるべきではない!」派の人って、もちろん自分の母親が閉経したら即離婚させるんですよね? だって、もう子供をつくる能力がないわけですし。

同様に、自分やパートナーがストレス、病気、怪我、加齢などで不妊(男性なら男性不妊)になったときも即離婚して、機能が回復するまでは結婚せずにいるんですよね? で、もしも回復の見込みがなければもう一生結婚しない、と。その場合事実婚も利用しませんよね、あれって「社会の慣習上婚姻と認められるもの」であり、婚姻イコール「結婚すること」ですもん。さらに、同性愛者に「結婚するな」と説教するだけではなく、既婚のご友人やご親戚、職場の方々にも子作りの予定をいちいち確かめ、「子供をつくらない/つくれないのなら別れろ」と要求していらっしゃるんですよね?

いやあ、たいへんな人生だなあ。「子供がつくれない結婚は認めるべきでない」という信条を本当に貫き通すと、異性愛者であっても相続のトラブルが起きたり、パートナーの会社の健康保険を利用できなくなったり、パートナーが行方不明になっても捜索願すら出せなくなったり(あれ『家族』じゃないとダメなんですよ)、病気のときの延命処置について揉めまくったり(あれは『家族』ですら揉めますからね)するでしょうし、厚生労働省によると職場で人の子作りの予定を詮索することはセクハラにあたるそうですから、なんらかの懲戒処分になる可能性も出てくるでしょうしねえ。お気の毒にねえ。

あれ? でも同性愛者は子供がつくれるから結婚できるんじゃないの、この論法で言うと。

↓『天才少年ドギー・ハウザー』や『ママと恋に落ちるまで』のニール・パトリック・ハリス代理母出産でもうけた双子を育てています。

↓『ジリアン・マイケルズの30日間集中ダイエット』のカリスマトレーナー、ジリアン・マイケルズ。パートナーが人工授精で生んだ子と、養子縁組で引き取った子を育てています。

さて、ここらで少し真面目な話をすると、あたしとしては生殖は結婚の必須条件じゃないと思うし、現行法でもやはり必須ではないし(異性カップルはたとえ100歳の老人でも結婚できますよね)、そこを変える必要はないと思っています。そして、相手が異性愛者だろうと同性愛者だろうと、子作りを他人が強要し、従わなければ不平等な扱いをするのはおかしいとも思っています。人間は繁殖用の家畜ではなく、誰もその畜主ではありません。

それにだいたい、生殖を根拠とした同性婚否定論なんて、既に世界中で論破され尽くしてるんですよ。念のため、カリフォルニア州同性婚裁判での専門家による論破を下に貼っておきます。

これ2010年の報道ですよ。それから4年も経ってもいまだに「子供がー」とか言って反対している人は、要するに同性婚について真面目に考えたことなんて1度もないんですよ。