二重母音は長音にしないでほしい

中学生のときだったかな、地理の時間に「大ジバイジング山脈」というのを習って、なんだこりゃと思って英語表記を見たら"Great Dividing Range"なんですね。ディバイディングがジバイジングになっちゃうのはひどいじゃないかと思って先生に言ったら、「先生も変だと思うんだが、文部省(当時)の方針で『ディ』は『ジ』という表記にしなければいけないと決まってるんだ」ということでした。
ジバイジングじゃ意味わかんねえよ、こんなアホな教育しといて「日本の学生は英語力が低い」とか言ってんじゃねえやバーカバーカ。
と思ってたんだけど最近のマスコミの報道見てても「なんでわざわざこんな変な表記にするんだ」と思うのが多いんだよね。具体的に言うと、/ei/*1の音を全部エ段の長音「エー」にしてるのがすごく変で、キモチワルイです。「メーンディッシュ」とか。「メード喫茶」とか。「レームダック」なんざ、最初に耳で聞いたときは何のことだかまったくわかりませんでした。ただでさえカタカナ表記だと"r"か"l"か区別がつかないのに、母音までジャパニーズイングリッシュに変えるんじゃねえ。
そもそも英語の単語に「エー」っていう音を含む語はほとんどないんじゃないの? "make"は「メイク」だし、"gate"は「ゲイト」だし、"space"は「スペイス」だし。「エイ」*2はあっても「エー」はない。なんでもかんでも「エー」にすり替えたキモチワルイ表記にするのは、なんかそういう規定を作ったマスコミの人達の耳が腐ってるのか、それとも「大ジバイジング山脈」みたいに文科省がアホな通達出してるのか、どっちなんでしょ。いずれにしても、もう鹿鳴館で「チーパーチー」してる時代じゃないんだから、早めに改善して欲しいもんだと思います。

(付記)これ書いた後でちょっと調べたら、共同通信記者ハンドブックというのがあって、そこに「二重母音は原則として長音にする」というようなことが書かれてるらしいですね。だーかーらーよー、勝手に捻じ曲げられるとわかりにくいんだってばよ。特に日本語の会話内ではあまり使わないような表現(さっきの『レームダック』とかね)でいきなりそれをやられると、英語が話せる日本人でさえも何のことやらわからない、つまりは誰にも届かない表現になっちゃうっつーのよ。

*1:実はここでアルファベットの"i"を使うのは不正確(日本の辞書は恥ずかしげもなく使ってるが)なんだけど、便宜上この表記にしておきます。

*2:正確に言うと、日本語の「エイ」とは少し違う音ですけれども。