コロラド州の小学校、6歳MtF少女の女子トイレ使用を拒否

コロラド州の小学校が、6歳のMtF少女が女子トイレを使うことを禁じました。学校区の弁護士は、「この子の性器が成長するにつれ、他の児童や保護者が不快になる可能性があるから」と説明しています。

詳細は以下。

この子はコイ・マシス(Coy Mathis)ちゃんといい、生まれて数年で自分は女だという認識があったとのこと。髪を長く伸ばし、ジーンズをいやがってピンクのドレスを着、男だと言われると泣いてしまう子だったのだそうです。父親のジェレミーさんによると、コイちゃんは女性と自認して以来友だちがたくさんできて、前よりあきらかに幸せになったとのこと。

両親は彼女が幼稚園児のときに医者に相談しており、学校にはこの子の性自認が女性であること、女児として扱うべきであることを伝えてありました。で、入学して数ヵ月は女子トイレを使えていたのに、途中から、女子トイレではなくジェンダーニュートラルなトイレを使えと言われてしまったのだそうです(追記:男子トイレを使うよう指示されたという報道もあります)。


ファウンテン=フォート・カーソン学校区の弁護士からの手紙では、以下のように説明されていた。「コイが成長して、男性器が他の身体部分と共に成長するにつれ、彼が女子トイレを使い続けることに対して少なくとも数人の親や生徒たちが不快になるだろう」
A letter from a lawyer for the Fountain-Fort Carson school district explained that “as Coy grows older and his male genitals develop along with the rest of his body, at least some parents and students are likely to become uncomfortable with his continued use of the girls’ restroom.”

この手紙の内容、ツッコミどころが3箇所あると思うんですよ。まず、自分たちの意見をいるかいないかもわからない「不快に感じるであろう人」に仮託し、責任逃れしていること。次に、コイちゃんの人称代名詞に「彼」を使っていること。最後に、「ちんこが生えてれば即、女性への性暴力加害者」みたいなジェンダーステレオタイプを疑ってもいないこと。こういう人たちの言うことって、いつでもどこでも判を押したようにそっくりだわ。

ちなみにコロラド州の反差別法はトランスジェンダーへの差別を禁じており、コイちゃんの事件でこの法律が試されることになるだろうとNYタイムズは述べています。Transgender Legal Defense and Education Fundは、コイちゃんの代理人としてコロラド州公民権局に苦情の申し立てをしています

コイちゃんは三つ子なのですが、コイちゃんの両親は、学校が娘に女子トイレを使わせない限り3人とも在宅教育で勉強させるつもりだと話しているそうです。


裏庭で、コイは自転車で楽しそうに遊んでいた。顔にもピンク色のきらきらしたブーツにも、泥をくっつけながら。彼女は友だちのいる学校に戻る方がいいが、どうして戻れないのかはわかっていると言った。
「わたし、いじわるされてる」と彼女は言った。「それに、わたしはほんとうに女の子なのに、男の子だっていわれてるの」
In the backyard, Coy played happily with her bike, dirt dusting her face and her pink, sparkly boots. She said she would rather be back in school with her friends but knows why she is not. “They’re being mean to me,” she said. “And they’re telling me that I’m a boy when I’m really a girl.”