オレゴン州のベイカリー「同性婚のウエディングケーキなど作らん!」→有名パティシエ「私がただで作ってあげましょう」

2013年1月27日、米国オレゴン州のベイカリーが、宗教的信念を理由にレズビアンカップルのウエディングケーキ製作を拒否するという事件が起こりました。一方、そのニュースを聞きつけた有名ケーキ店のパティシエが、同カップルのために無料でケーキを焼いて届けると表明し、話題になっています。

詳細は以下。

ケーキの製作を拒否したのは、「スイート・ケイクス・バイ・メリッサ」(Sweet Cakes by Melissa)というお店のオーナー、アーロン・クライン(Aaron Klein)氏。彼はレズビアンカップルに対し、彼女たちが「主の憎まれるもの」だからという理由でウエディングケーキを売ろうとしなかったのだそうです。

同州では、2007年オレゴン州平等法(Oregon Equality Act of 2007)により、性的指向にもとづいた差別は禁じられています。このカップルは1月28日に訴えを起こし、法務庁が調査をおこなっているとのこと。しかしながらクライン氏は、「合衆国憲法修正第1条(連邦議会が宗教・言論・出版・請願の自由を妨げることを禁止した条項)があるのだから、自分には宗教を実践する権利がある」と主張しているそうです。
クライン氏の映像はこちら。

一方、この一件を知ったメリーランド州ボルチモアのケーキ店「チャーム・オブ・ケイクス」のダフ・ゴールドマン氏が、twitterで「私が無料でそのケーキを作りましょう」と発言。制作費も送料も無料で、同カップルにケーキを提供すると公言したのだそうです。ゴールドマン氏は、米国のTV番組「エース・オブ・ケイクス」に出ている有名人で、オバマ大統領の2度目の就任式のためのケーキをつくったことでも知られています。

以下、ゴールドマン氏の発言をいくつか訳してみます。


「この話を見て、なんというか、『待てよ……私にできることがある、ケーキに関係した不正があるんだから!』と思ったんです」
"I saw this story and I was like, “Wait -- I can do something, there’s injustice involving a cake!”

あれはまったく無意味なことです。狭量で、卑劣で……この男性は、憎しみを宗教のマントでくるみこんでいるんです」
it just makes absolutely no sense. It’s petty, it’s small…this man has wrapped up his hatred in the cloak of religion.”

なおKATU.comによると、ケーキの販売拒否が州の平等法に触れるかどうかは、結局は判事の判断次第だとのことです。

ここで非常に興味深いのが、どうやら「スイート・ケイクス・オブ・メリッサ」が忌み嫌っているのは同性愛者だけではないらしいということ。Examiner.comが、同店のFacebookアカウント「Sweet Cakes by Melissa」にこんな発言があったと報道しています。(スクリーンショットのスライドショーはこちら


「ニガーも、スペイン系どもも、売春婦も、男色野郎も、男役のデブレズも、不細工なバカ女も、偽善者の売女も、太りすぎのカバどももクソ喰らえ。こっちはすごくいっしょうけんめいケーキを焼いているのに、あんな記事が書かれてから、おまえらみたいな恩知らずのいじめっ子が私と私のすばらしい家族を憎んでやがる。恥知らずめ! うちの商売が気に入らなきゃ、来るなよ! 同じクリスチャンにもっとたくさんのケーキを出せるからな!」
"F_ _ k the N_ _ gers, Spics, whores, sodimites, fat b_ _ches, ugly c_ _ ts, hypocritical hoes and overweight hippos on our feed. We try so hard to bake cakes and all you ungrateful bullies hate on me and my beautiful family after these articles were written, shame on you! If you don't like our busineess then don't stop by! More cake for our fellow Christians!"

これ全部、「宗教上の信念」から来る発言なんですかねえ。あたしの持ってる聖書に載ってるジーザスは、こんなことは言わなかったと思うわ。オレゴン州の平等法がどこまでがんばれるのか、今後の動きを見守りたいと思います。