米ミズーリ州のゲイ男性、パートナーの病床から離れることを拒否して逮捕される

2013年4月9日、米国ミズーリ州で、あるゲイ男性が入院中のパートナーの病床から離れることを拒否したために逮捕されるという事件がおきました。

詳細は以下。


この男性ロジャー・ゴーリー(Roger Gorley)さんは当日午後、リサーチ・メディカル・センターにうつ病で入院中のパートナー、アレン(Allen)さんに面会しに行きました。こんな病院です。


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ところがゴーリーさんはアレンさんの家族のひとりから出て行けと言われ、これを拒否したところ警察を呼ばれて逮捕され、手錠をかけられて院外に出されてしまったのだそうです。


「わたしは夫だと思われていませんでした。パートナーとも思われていませんでした」とゴーリーは述べた。
ミズーリ州では法律婚とはみなされないものの、ゴーリーによれば彼とパートナーのアレンは5年近くシビルユニオンの関係にあり、互いに医学的意思決定をゆだねているとのことである。
看護師は共同委任状を確認することを断ったと彼は言う。
「委任状を確認するために見に来ることさえ嫌がられました」とゴーリー
“I was not recognized as being the husband, I wasn’t recognized as being the partner,” Gorley said.
While not legally recognized as a couple in Missouri, Gorley says he and his partner Allen have been in a civil union for nearly five years, and make medical decisions for each other.
He says the nurse refused to verify they also share joint Power of Attorney.
“She didn’t even bother to go look it up to check into it,” Gorley said.

リサーチ・メディカル・センターは、ゴーリーさんの排除は患者のケアを重視してのことだったと述べています。彼らの見解ではアレンさんは面会謝絶にする必要があり、にもかかわらずゴーリーさんが立ち去ろうとせず抵抗したため、不法侵入および治安紊乱行為で警察に逮捕してもらうことになったとのだそうです。

ただし、これはゴーリーさんの主張とはずいぶん食い違っています。BuzzFeedに紹介されているFacebookのポストによれば、この日はもともとゴーリーさんの娘のアマンダさんがずっとアレンさんにつきそっていて、髪を切りたがるアレンさんを美容室に連れて行ったりしていたんだそうです。髪を切りに行く元気がある人への面会を、なんで禁じなきゃいけないのよ。さらに、アマンダさんのインタビューを見ても、当日怒り狂って叫んだり暴れたりしていたのは、ゴーリーさんよりむしろアレンさんの兄弟のリーさん(ゴーリーさんを追い出そうとした人)だったみたいですし。

ゴーリーさんは逮捕された後、調書を取るために警察署に連行されました。さらに差し止め命令も出され、アレンさんとの面会を禁止されてしまいました。Change.orgでは現在、メディカル・リサーチ・センターに謝罪と職員の再教育、同じような事件の再発防止などを要求するオンライン署名が始まっています。

ちなみに米国では2011年1月18日、オバマ大統領の覚え書きを受けて、性的指向やジェンダー・アイデンティティーなどを根拠に患者の面会権を侵害しないようにと要求する連邦規則が発効したはずなんですよ。でも、現場じゃあいかわらずこんなことが起こってる。進歩しねえな、アメリカ。