ベトナムが同性婚を検討する一方、日本はほとんど進歩なし


ベトナムの司法省が同性婚の導入を検討している一方で、日本ではほとんど動きがない、とQueertyが報じています。

詳細は以下。

ベトナム同性婚については、上記記事内で紹介されているThe Associated Press: Unlikely Vietnam considers same-sex marriageが詳しいです。こちらによると、ベトナムはもともとゲイの権利擁護に熱心な国だったわけではなく、ほんの数年前まで同性愛は薬物中毒や売春と同列の「社会悪」だとみなされていたとのこと。しかしながらここ5年ほどで少しずつ状況が変わり、政党批判が許されていない国営メディアでさえ、同性愛関連の話題を扱えるようになってきているのだそうです。今では同国のハー・フン・クオン(Ha Hung Cuong)司法大臣が、同居中の同性カップルの財産所持や相続、養子の迎え入れなどの問題に関して法的なフレームワークが必要だと発言するまでに至ったとのこと。


「人権に関して言えば、今や現実を見てしかるべき時です」。ハー・フン・クオン司法大臣は火曜日、国営のテレビとラジオで報道されたオンライン・チャットで述べた。「同性愛者の数は何百何千というところまで増えています。少なからぬ数字です。彼らは結婚の登録なしで生活しています。彼らにも財産があるでしょう。わたしたちは、もちろん、これらの事柄を法的に扱わなければなりません」
"I think, as far as human rights are concerned, it's time for us to look at the reality," Justice Minister Ha Hung Cuong said Tuesday in an online chat broadcast on national TV and radio. "The number of homosexuals has mounted to hundreds of thousands. It's not a small figure. They live together without registering marriage. They may own property. We, of course, have to handle these issues legally."

ベトナムは2013年の国会でこの問題について討議を行う予定だそうです。異性間の結婚と同等の権利が認められるかどうかはまだわからないものの、もしも同性婚が法制化された場合、ベトナムはアジア初の同性婚可能国となるとのこと。

翻って日本はどうかと言うと。Queertyによると、先月米国政府が、オバマ大統領の同性カップルの平等に関するメッセージを強調すべく、アクティヴィストのマーク・ブロムリー(Mark Bromley)氏を日本に派遣していたのだそうですが……話題になった、これ? 何か議論が進んだ? 全然だよね。

Queertyの記事では、日本で多様な家族のあり方が受け入れられにくい理由として、日本では国民の意見がめったに採用されないこと、寛容さに限度があるため異性カップルでさえ多様性が否定されている(夫婦同姓にしなければならない、非嫡出子は相続で不利になる、離婚するとどちらかの親が親権を完全に失うetc.)ことなどが指摘されています。どれもうなずけるものばかりです。このまま行くと、ベトナムに置き去りにされるかもですね、日本。