米国最高裁、アンチゲイな教会の「表現の自由」を認める

米軍兵士の父親、ゲイ嫌いの教会に対し16500ドルの支払いを命じられる - みやきち日記の続報です。同性愛嫌悪で知られるウエストボロ・バプティスト教会が戦没兵の葬式で行う反同性愛運動を、米国最高裁が「表現の自由にあたる」として支持したそうです。
詳細は以下。

教会によるヘイトスピーチ最高裁がお墨付きを与えてしまったわけで、これは相当まずいんじゃないかと。なおAFPによると、葬儀にかこつけて「神は米国を憎んでいる」「9.11を神に感謝する」「アメリカは破滅する」「ゲイ軍団」「お前たちは地獄に落ちろ」などのプラカードを振り回されたマシュー・スナイダー兵長は、ゲイですらなかったそうです。ウォール・ストリート・ジャーナルの情報では、ジョン・ロバーツ最高裁長官はこうした抗議活動を「常軌を逸したものではな」いと述べたとか。じゃあ最高裁の考える「常軌」っていったい何よ。いくらアメリカが狂信的キリスト教国家だとしても、この判決はないわ。

ちなみに去る2月25日には、同教会に反対する「アノニマス」というオンライン活動家グループが教会の持っているWebサイトをハックして見られなくするという騒ぎが起こっています。違法行為だし、それはやっちゃ駄目だろうとも思うんですが、これでハックされたドメイン名がことごとくすごい。

  • 聖職者は少年をレイプするドットコム(PriestsRapeBoys)
  • 神は米国を憎んでいるドットコム(GodHatesAmerica.com)
  • 神は世界を憎んでいるドットコム(GodHatesTheWorld.com)
  • ユダヤ人がキリストを殺したドットコム(JewsKilledJesus.com)
  • 米国は呪われているドットコム(AmericaIsDoomed.com)

こういうことを大真面目にやっている教会が、人の葬式を利用してさらにマイノリティへの憎悪を煽ることが「表現の自由」ですかい。それと同じぐらいにマイノリティ側の表現の自由も認められているのならまだしも、現状では必ずしもそうとは言えず、この状況に危機感をおぼえます。
なおPinkNews.co.ukによると、今回敗訴した兵士の父親はCNNに対し、同教会が葬儀でのアンチゲイな活動を再開すれば誰かが撃たれたるのではと懸念を表明しているとのことです。


PTSDを患って帰郷する軍人はあまりにも多く、彼ら(『神はホモ野郎を憎んでいる』と反同性愛運動をする人たち)が間違った葬儀に行けば、発砲が起こるでしょう」
「そうなったとき、子どもを埋葬する母親や、自分の父や母を埋葬する小さな女の子に弾が当たらないよう、ただ祈るばかりです。
You have too many soldiers and Marines coming back with post-traumatic stress syndrome, and they [the God Hates Fags protesters are going to go to the wrong funeral and the guns are going to go off.”
“And when it does, I just hope it doesn’t hit the mother that’s burying her child or the little girl that’s burying her father or mother.