米テキサス州の学校、ゲイ・ストレート・アライアンスの設立を阻止するため、すべてのクラブ活動を禁止する

米国テキサス州にある高校が、ゲイ・ストレート・アライアンス(LGBTとその支持者が共にLGBTのサポートや啓発活動を行うための学生クラブ。略称はGSA)の設立を阻止するため、同校でのあらゆるクラブ活動を禁止してしまったそうです。

詳細は以下。

この高校は「フラワー・ブラフ・ハイスクール」(Flour Bluff High School)といいます。2010年11月、17歳の生徒ニッキ・ピート(Nikki Peet)さんがクラブ発足の条件をすべて満たしてGSA設立の申し込みをしたにもかかわらず、ジェイムズ・クレンショー(James Crenshaw)校長がその申し込みを拒否したとのこと。

同校長はGSAの設立を阻止するために教科外のすべてのクラブ活動を禁止し、現存するクラブに当分の間学校内では集まらないよう要求したのだそうです。しかも、学校区もこの決定を支持したとのこと。

以下、ピートさんの言葉。


「学校区が、もっぱら寛容を促進することを目的とするクラブの設立を許すより、むしろ教科外のクラブを排除することで生徒を罰したがっているということにショックを受け、失望しました」とピートさんは言った。「これで学校にたくさんの憎しみと敵意がもたらされてしまうでしょう。というのは、今では生徒たちがたぶん[原文ママ]、GSA賛成派の人たちが他のクラブの活動を止めてしまったわけですから。そんなわけで私たちは、そのことで責められる感じになっています」
“I am shocked and disappointed that my school district would rather punish students by eliminating extracurricular clubs than allow the formation of a club whose entire purpose is to promote tolerance,”said Ms Peet. “It’s going to bring a lot of hate and animosity to the school because now people are going to be like [sic], the people who are for the GSA, they’re the ones who stopped the other clubs. So we’re kind of being blamed for it.”

「あいつらのせいで部活ができない」ってことになれば、そりゃジョックスの皆さんとか大激怒しそうですもんね。最初からそれが狙いで、いわゆる「分断して統治」する作戦だったのでしょうか。
元記事によると、2009年にGay, Lesbian and Straight Networkが行った調査では、米国のLGBT生徒の9人に1人が学校で嫌がらせを受けた経験があると報告しているそうです。こうした状況下で偏見やいじめから生徒を守るためにあるのがGSAなのに、その設立を認めないどころか、LGBT生徒への反感をさらにつのらせるような裁定をするっていうのはどうよ。生徒たちに安全な学習環境を提供するのは、学校の義務じゃないの?

戦没兵の葬儀での反同性愛運動を最高裁が支持する一方で、LGBT生徒をいじめから守るためのクラブ活動はこんなにもあっさり妨害されているとは。アメリカって素敵すぎる国ですね。

単語・語句など

単語・語句 意味
extra-curricular 課外の、教育課程外の、教科外の
animosity 悪意、反感、憎悪、敵意、恨み
contravention 違反