米国のスーパーマーケット、エルトン・ジョンが息子と写った雑誌の表紙を隠して販売
エルトン・ジョンには同性のシビル・パートナーがいて、2010年12月に息子のザッカリーちゃんが代理母出産で誕生したばかりです。エルトンとパートナーと息子を撮った家族写真は、雑誌『US Weekly』の表紙にもなりました。ところが米国アーカンソー州のスーパーマーケット・チェーン「ハープス」のうち1店舗が、その表紙を不快なものとみなし、写真が見えないように隠すためのプレートをつけて販売していたそうです。売り場の写真を見ると、そのプレートには「家族向けのシールド・ハープスの幼いお客様を守るためのものです」と書かれているのがわかります。
詳細は以下。
エルトンの家族写真を有害物扱いしていたのは、ハープスのマウンテン・ホーム店。地元住民のジェニファー・ハドルストンさんがプレートを見てショックを受け、写真を撮ってツイッターに投稿したことから事態が判明しました。ハドルストンさんのツイートは以下。
「これは私の地元の食料品店で撮ったものです」と彼女はSNSに書いた。「ショックと恐怖に襲われました。
「この店は、ゲイ・ファミリーだから子供の目から隠しておく必要があると言っているのです」
“This was taken at my local grocery store,’ she wrote on the social networking site. “I was shocked and horrified.
"They are saying they need to keep children from seeing it, because it is a gay family.”
ハープスは当初、この件については何の意見もないと主張していましたが、のちにKim Eskew社長が、プレートは外したと発言したそうです。
うちはレズビアンサイトで、今どき珍しく掲示板を置いてるんですが、定期的に判で押したように「同性愛は子供を作れないから認めるべきでない*1」論者が現れるんですよ。海外ニュースのコメント欄を見る限り、日本以外でも「子供を作れないから『生物学的に』間違っている*2」として熱心にゲイバッシングする人はよく見かけます。それなのに、同性カップルが子供を持ったら持ったで、今度はこうやって「隠すべきもの」扱いをされちゃうっていうのは、どういうことなの。「家族」の枠から同性愛者の親子を締め出して、昔ながらの偏見を謳歌し続けたいってわけですかい。ふざけるのも大概にしろと言いたいです。
「アメリカだから宗教の影響があり、仕方ないのでは」みたいな意見もあるでしょうが、ならプレートに堂々と「同性愛は神の教えに反しているから見せられません」と書きゃいいんですよ。「家族」「子供」をダシにするのは卑怯です。元記事についたこちらのコメントに、すごく同意です。
「家族向けのシールド・ハープスの幼いお客様を守るためのものです」
うーん、びっくりだ。これは幼いお客様には何の関係もなく、偏見を持った大人たちにだけ関係あることだ。どうして偏見持ちの大人は、いつも無邪気な子供に責任をなすりつけようとするんだ?
“Family Shield. To protect young Harps shoppers.”
Mmm, the mind boggles. It has nothing to do with the young shoppers but everything to do with the bigotted adults. Why do bigotted adults always feel the need to pass the blame onto the innocent?
*1:「子供がいないからダメ」説がおかしいことはこちらで説明済みです。→http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20101011/p1#c01
*2:「生物学的に間違っているからダメ」説がおかしいことはこちらで説明済みです。→http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20101011/p1#c02