ラッパーの50セント「プッシーを味わわない男は“自殺するべき”」と発言
2010年9月29日、ラッパーの50セントが、
「もしお前(が)男で、25過ぎててもプッシーを味わわないなら、自殺しちまえよ畜生。世界がましになるだろう。笑」
"If you [are] a man and your [sic] over 25 and you don't eat pu**y just kill yourself damn it. The world will be a better place. Lol"
とTwitterに書いています。ラトガース大学のTyler Clementiさんが同性との性行為をライブストリーミング配信されて自殺してからわずか1週間後に、このツイートです。当の50セント自身は、「オーラルセックスについてのジョークであって、アンチゲイな発言ではない」と述べ、自分はアンチゲイではないと主張しているとのこと。
詳細は以下。
- 50 Cent Criticized After ‘Anti-Gay’ Tweets…Again | Entertainment Spotlight | BET.com
- 50 Cent Tells Gays To Commit Suicide | Fenuxe Magazine | Gay Atlanta Magazine | LGBT Atlanta Events
- 50 Cent Insists He Never Meant to Make 'Anti-Gay Statement'
多少補足説明すると、原文の"eat pussy"という表現は、「(男が女と)性交する」「クンニリングスをする」という意味があり、このどちらの意味と受け取るかで話が変わってくるんですね。前者だとすればこれはゲイ(や非性愛者・無性愛者)に自殺しろと命ずる発言だし、後者だとすれば、男女間のオーラルセックスについての話になります。
Advocateはこのツイートをゲイの自殺を奨励するものであるとして非難。また、Truth Wins Out.comは、
こんなことをするのは節操のない卑しむべき者だけであり、ハリウッドからワシントンまでのリーダーは、このような物言いを糾弾するべきだ。
Only a despicable reprobate would do such a thing and leaders from Hollywood to Washington should condemn such rhetoric.
と主張しています。
一方、当の50セントは、後になってあれはオーラルセックスについてのジョークであったと述べ、「どういうわけかオーラルセックスについてのジョークがアンチゲイな声明に変換されてしまった」と書いています。さらには、自分の母親が同性愛者だから、自分はアンチゲイではないとも主張。
この「自分の○○が同性愛者だから自分はアンチゲイではない」ってレトリック、最近も聞きましたね。ええ、吉野家事件の瓜田純士氏のブログ(現在は消滅)で。友達やら家族やらに同性愛者がいるからと言って、その人がアンチゲイでないという証明にはならないはずなんですが。
ちなみに50セントは先日、結婚しようとした男性ふたりが群衆に襲われ、走って逃げている写真をTwitpicに載せ、LGBTの権利団体GLAADから「アンチゲイな暴力は冗談の種にすべきことではない」と非難されたりもしています。
今回の「自殺すべき」発言については、Pink Newsのコメント欄のこちらの意見にたいへんウケました。
たぶんエルトンがもうすぐ彼とデュエットするだろう。
Elton will probably do a duet with him soon.
言うまでもなく、これは両性愛者のエルトン・ジョンが、ホモフォビックな歌詞で知られるエミネムとなぜかデュエットしたことを受けての皮肉。そうだね、50セントもエルトンに一緒に歌ってもらって、せいぜいホモフォビアのなさをアピールするといいよ。
単語・語句など
単語・語句 | 意味 |
---|---|
despicable | 見下げ果てた、卑しむべき |
reprobate | 堕落者、無頼漢、道楽者、放蕩者、自堕落な人間 |