Save Mehdi Kazemi(追記あり)

19歳のイラン人ゲイ「Mehdi Kazemi」さんが英国への難民申請を却下され、イランへの強制送還の危機に晒されています。彼がイランに残してきた恋人は既に逮捕・処刑されており、Mehdiさんの名前も当局に知られているため、強制送還が執行されれば拷問か、死刑か、あるいはその両方が待っている可能性が高いです。嘆願のための署名に参加されたい方は、ぜひオンライン署名ページへどうぞ。

しかしこの事件、シェイダさんペガーさんの件に引き続きまたこれか、と暗澹たる思いになりますね。こういった事件で何が嫌って、tummygirlさんRy0TAさんのご指摘にある通り、強制送還を合理化するのに、「隠れてれば迫害されないんだから、別に同性愛者は危険にさらされてないじゃん」というロジックが使われてしまうことです。しかしね、そういうロジックを振りかざす人(日本国内にもいっぱいいて、パレードのときなんかにワラワラ湧いて出ますね)って、それがどれだけ残酷なことかわかってないと思うのよ。「隠れていれば」って言ったって、ただひっそりと隠れているだけじゃ絶対に許してくれないじゃん、アンタたちは。異性愛者と一緒になってゲイを嘲笑するとか、全然好きでもない異性タレントが好きなふりをするとか、嫌でも異性とセックスするとか結婚するとか子供を作るとかして積極的に「異性愛者でござい」という演技をしまくらなければ「あの人何かヘン」と白眼視する*1(もちろん、国や状況によっては白眼視よりもっとひどいことになる)くせにさー。
もっと身も蓋もない言い方をするならば、「隠れていろ=異性愛者のふりをしろ」と同性愛者に強要するということは、結局「お前ら、好きでもない奴(異性)相手に股を開け(あるいはちんこを立てろ)」と強制することと変わらないと思うんですよ。ふざけんな、てめえらどこの置屋の遣り手婆だっての。ましてや、それを拒むと逮捕拷問死刑って、どこの女郎屋だよこの世界はよ。
……と、頭が足りないわたくしは思わず卑俗な方向で憤ってしまいましたが、ともかく、 Mehdiさんの強制送還は対岸の火事なんかでは全然ないです。ご興味がおありの方は、ぜひ上の方に挙げた数々のリンク先の記事をお読みください。

2008年02月25日追記

イタリアの人権団体GroupEveryone(グループ・エブリワン)が、Mehdiさん支援に名乗りを上げたそうです。詳しくは以下を。

*1:このように書くと一見http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20080126/1201317687で書いたこと(要旨:人は自動的に異性愛者だと決めつけられてしまいがちである)と矛盾しているようですが、そういう話ではありません。まとめると、つきあいが浅い(または、ない)人に対しては何の根拠もなく「異性愛者に違いない」と決めつけておいて、その後のつきあいで相手が期待通りに異性愛者チックなふるまいをしないと「この人ヘン」と訝しみ出す(そして、場合によっては嘲笑や迫害を始める)のがマジョリティのやり方だってことです。