ネオナチ、スロバキア初のゲイ・プライド・マーチを潰す

2010年5月22日に予定されていたスロバキア初のゲイ・プライド・マーチが、ネオナチの暴力によって中止に追い込まれたというニュース。
プライド・マーチのために約500人ほどが集まっていた広場に、ネオナチのバッジをつけたスキンヘッド集団が現れて催涙弾を打ち込んだり、石を投げたりしたのだそうです。プライド参加者には家族連れ・子供連れもおり、2歳の女の子が催涙ガスを吸ってしまって搬送されたとのこと。オーストラリア人でヨーロッパ議会議員のUlrike Lunacekさん(オープンリー・レズビアンの政治家です)は、スピーチ中に石をぶつけられ、「卵やトマトを投げられたことはあったが、石は初めてです」と話しているそうです。

ネオナチによる騒ぎが悪化した30分後、イベントのオーガナイザーRomana Schlesingerさんはプライド・マーチの実行を断念。彼女によると、「警察から、攻撃的な群衆が歩道に多数集まっているため、マーチを実行したら安全は保証できないと言われた」とのこと。

リトアニアに続き、スロバキアでもこの騒ぎとは。嫌ですね。
ちなみにEDGE Bostonによるとスロバキア共和国では同性愛は合法で、同意年齢も異性間と同じだとか。また、この国はEU諸国の中でもトップクラスの経済成長を誇っており、差別を禁ずる法律もあるんだそうです。さらに、ある統計によると、このカトリック国の住民の70パーセントが同性愛を受け入れているとのこと。でも、そんなことはおかまいなしに、ネオナチはこうして暴れているわけ。日本人には、漠然と「同性愛嫌悪は宗教の影響では」「貧しい野蛮な国だから差別が起こるのでは」「過半数の人が認めれば差別はなくなるのでは」などと考えている人がわりと多そうですが、実際にはそういうわけでもないみたいですね。なんだかやりきれないものを感じます。

単語・語句など

単語・語句 意味
insignia (官職・階級などを表す)記章、バッジ、(一般に)しるし