カリフォルニア州の裁判所、「私立学校はレズビアンを退学にできる」と判断

カリフォルニア州最高裁が4月29日、「宗教系の私立学校は、レズビアンだと思われる生徒を退学にできる」という下級裁判所の審理を支持したというニュース。

この件で争点になっていたのは、California Lutheran High Schoolの2人の中学生少女たち。2人は他の生徒がMySpaceにポストした内容がきっかけとなって校長室に呼び出され、それぞれ別々に性的指向について質問されたのち、結局退学させられてしまったんだそうです。

少女達の親は差別を禁ずる州法に基づいて訴えを起こしていましたが、控訴裁判所は1月に「この学校は理念に従う権利がある」という判決を出していました。今回最高裁が上訴を棄却したことで、結果的に「宗教系の私立学校はカリフォルニア州公民権法の適用対象外であり、レズビアンと思われる生徒を退学にしてよい」という司法判断が下されたことになります。

ちなみに控訴裁判所が裁判のとき引き合いに出したのが、1998年に州最高裁が下した「ボーイスカウトはゲイと無神論者を排除してもよい」という判決。陪審が言うには、「宗教系の私立学校はボーイスカウトと同様、主にその価値観を若者に教え込むためにある」ということなんだそうですよ。

なんだか釈然としない判決です。先日紹介したレインボーのリストバンド禁止事件では、1969年に連邦最高裁判所が「生徒と教師のどちらも、学校の校門で憲法上の権利を捨てることはできない」とした判例が紹介されていましたが、宗教系の私立校でだけ、校門をくぐったとたんになぜか法的な権利が消えてしまうとでもいうんでしょうか? よくわからない国だわ、アメリカ。

単語・語句など

単語・語句 意味
intact 完全な、そのままの、手をつけていない
dissent 異議
review 再検討、再審理
appeal 上訴
trial court (主に米)事実審[第一審]裁判所
bind 拘束力がある
atheist 無神論