大学はゲイや非クリスチャンを排除するクリスチャンサークルを認めるべきか? 米最高裁、判決へ
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米国カリフォルニア大学ヘイスティングス校ロースクールで、ゲイと非クリスチャンの入会を認めない学生サークルが大学側から公認サークルと認められず、訴訟が連邦最高裁まで持ち込まれたというニュース。
訴えを起こしているのは同大学の「クリスチャン・リーガル・ソサエティ」という学生サークル。このサークルは、会員に宗教についての声明書にサインさせ、誰であれ「男性と女性の婚姻の外にある性的行為を提唱したり、悔悟の念なしにそうした行為に従事する」者は入会禁止なんだそうです。
カリフォルニア大学は、この入会ポリシーは、大学の公認サークルに必要な「人種、肌の色、宗教、出身国、祖先、障害、年齢、性別または性的指向にもとづいて不法な差別をしない」という要件を満たしていないと判断。クリスチャン・リーガル・ソサエティは公認サークルになれませんでした。これはつまり、集会の場所が持てず、活動費も支給されないということです。同サークルはこれを不服として訴訟を起こしたのこと。
第二審では裁判所は大学側を支持したのですが、南イリノイ大学が同様の訴訟を起こされたときには控訴裁判所が宗教グループ側を支持しており、判例の食い違いが波紋を呼んでいる模様です。
ちなみに、カリフォルニア大学の宗教サークル連合が
と主張する一方で、「政教分離を支持する米国人連合」(Americans United for Separation of Church and State)は「裁判所は、『公立大学では、活動費給付や大学側からの公認を求めるサークルは、すべての人に開かれていなければならない』と明確に示すべき」としているとのこと。同連合の代表者のBarry W. Lynn師は
「州立大学は、宗教サークルに、宗教的アイデンティティを手放すことを条件に大学の設備を使わせてはならない」
"state university officials may not condition a religious group's access to campus facilities on relinquishment of its religious identity."
と述べているそうです。
「もし学生の宗教サークルが勝訴したら、一部の学生は会員として認めてもらえさえしないサークルを強制的にサポートさせられることになる」
"If the student religious group wins, it will mean some students will be compelled to support clubs that won't even admit them as members,"
同性愛者の生徒が払った学費や同性愛者の納税者の納めた税金が、こういう排他的宗教サークルのために使われてしまうんだとしたら、単純に嫌だなあ。「宗教的アイデンティティだから」というのが言い訳になるのなら、「白人崇拝教」とか「女死ね死ね教」とかを作ってサークルを立ち上げても公認請求できることになってしまうし、何か、変じゃない?
「なら、ゲイ嫌いの俺が払った学費をゲイサークルのために使うな」って人もいそうだけど、差別を是認(あるいは促進)する団体と差別解消を目指す団体を同列にとらえること自体が変。もしもゲイサークルが「会員はゲイに限る」として他の性的指向の人を締め出せば、この大学はやっぱりそれを公認しないと思うんですが、どうでしょう。
なお、最高裁でこの件が争われるのは来年3月になる予定だとのこと。続報を見守りたいと思います。