分母を増やせばいいのにね

すごく狭い行動半径の中で生活していながら「彼氏(彼女)ができない」と嘆く人って、いったいどんな自信家だと思います。日常的に接するお年頃の異性(同性愛者の場合は、同性)がたとえば20人いるとして、「20人のうちひとりぐらいは自分を好きになってくれるのが当然」とでも信じ込んでなきゃ、そんな嘆きは出てこないはずだもん。20人ならまだいいけど、対象が10人以下でもなお「このうちの誰かが必ず自分と恋に落ちてくれるはず」なんて信じてるんだとしたら、「どこのエロゲですかそれは」って感じだよね*1、もう。

ベストセラーの本は駅のキオスクに並べとくだけで売れます。でも通好みの本は、ターゲット層がたくさん通りかかる売り場に置かなきゃ売れない。人間だって同じでしょう。よほどのベストセラータイプ(超美人とか)でない限り、1/20でダメなら1/50、1/100、1/200……と分母を増やして少しでもチャンスを拡大するのが、確実に恋人を作る近道だと思います。何も特別なことをしなくても、ちょっとスポーツクラブに行くとか、習い事をするとか、バイトを始めるとかするだけでも彼氏(彼女)候補の母集団はどんどん増やせるはず。嘆いたり怒ったりするのは、そうやって分母の絶対数を増やしまくってもダメだったときだけでいいと思うんだよね。

こういうことを言うのは、自分がレズビアンという「ボケーッと日常生活を送ってたら、ターゲット層になんてそうそう出会えない」って種類の人間だからかも。独り身の時代は、もう、意識して分母を増やしまくりましたよ。それこそ東京〜大阪間のレズビアンイベントは全制覇。二丁目で朝まで遊んでそのまま新幹線で大阪の♀♀パーティーに飛び、さらに翌日には名古屋のクラブで踊ってる、なんてのはざら。イベント時以外でもとにかくフットワークを軽くして、およそ半径300km以内のレヅ友にはバイクでどんどん会いに行ってました。そうやって無理くりエンカウント率を上げて相手を見つけてきたので、会社と自宅の(あるいは学校と自宅の)往復しかしないで「彼氏(彼女)ができない」と嘆いてる人の神経が信じられません。エロゲみたいな都合のいい展開に憧れてないで、さっさと分母を増やせばいいのになあ。通好み物件を好きになってくれるマニアな人って、探せばけっこういるもんだよ。

*1:もちろん、本人が超絶美人さんや超イケメンである場合なら、話は別ですが。