『ファイアスターター』(スティーヴン・キング)再読開始

FirestarterFirestarter
Stephen King

Signet 1981-08-01
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今週読み終わった『キャリー』に引き続き、『ファイアスターター』をkindle版で読み始めました。今、あたしの中では1980年代スティーヴン・キング祭りなんです。序盤でアンディとチャーリーがひたすら逃げてるあたりや、"Shop"のおっさんたちが自信たっぷりにごちゃごちゃ言ってるあたりは正直ダルくて何度も寝落ちしましたが、農場での初のバトルシーンではもうページをめくる手が止まりませんでした。展開をほとんど全部憶えてるのに、それでも総毛立つわ、この場面。"She's never done anything like this before and I don't know if she can stop."(p. 118)とかさ、よくこんなコワくて悲壮感ある台詞思いつくよなあキングって。自分がコドモだった頃にはチャーリーに肩入れして読んでいたので気づきませんでしたが、親の立場でこう叫ばなければならなかったアンディの絶望たるやいかに、と思いました。

あとですね、ロット・シックスの実験で壁にかけてあったチャート図に血がつく場面、あの悪夢のような場面をめぐる一連の描写のすさまじさには、今さらながら内臓がでんぐり返りそうになりました。薬で朦朧となったアンディが目にしたことだけでもインパクト大なのに、後からさらに事態を再確認させて奈落の底に叩き込むという二段構えのねちっこさ。しかもそこに「コンマのマーク」というとっても卑近な、ある意味ユーモラスでさえある形をもってくるという周到さ。こういう意地悪(誉め言葉)かつ視覚的な描写をさせたら、スティーヴン・キングはまさしく世界一ですな。

現在、全401ページ中130ページまで読み終えたところ。週末に一気に残りを読んじゃおうと思ってます。その次は『クージョ』に行く予定。