米アリゾナ州のゲイカップル、子供14人の養親に

米国アリゾナ州で既に12人の養子を育てていたゲイカップルが、養子のひとりのきょうだい2人も引き取り、計14人の養親となったそうです。新たに迎えた2人はそれまで里親宅で虐待されていたとのこと。

詳細は以下。

このカップルはスティーブン・ハム(Steven Ham)さんとロジャー・ハム(Roger Ham)さんといい、男の子6人と女の子6人を引き取って育てていました。いちばん上の娘さんは今年で18歳です。これ以上養子を迎える予定はなかったものの、6歳の娘アンブロースちゃんの妹と弟が里親から虐待されているのを知り、両方引き取ろうと決めたのだそうです。

きっかけは新聞記事でした。ハムさんたちはアンブロースちゃんの妹と弟がプレスコットにいることを知っていたのですが、今年1月にまさしくそのプレスコットで4歳女児が虐待されたという報道があり、調べてみるとアンブロースちゃんの妹だったんです。ケースワーカーによると2歳の弟もやはり虐待されていて、ハムさんたちは2人とも養子に迎える決意をしたとのこと。


「(虐待のことを聞いて)胸が悪くなりました」とスティーブンはAZ Centralに語った。「『あの子たちはうちの娘のきょうだいだ』と思いました。
「とても耐えられませんでした」
‘We felt sick [hearing about the abuse],’ Steven told AZ Central, ‘We thought, "Those are our own daughter’s siblings."'
‘It was devastating.’

養子縁組の手続きはすみやかにおこなわれ、この子たちは5月からハム家でまたお姉ちゃんのアンブロースちゃんと一緒に暮らせるようになったそうです。

養子が10人以上いるゲイカップルと聞いて、先日のエントリ「子ども10人、パパ2人。あるゲイ・ファミリーの物語。 - みやきち日記」で紹介したマコーマックさん宅かしらと一瞬思ったんですが、違うんですね。あちらはミシガン州、こちらはアリゾナ州の、まったく別のカップルです。調べたら2011年に、つまりまだ子供が12人だった頃にABCファミリーがこのハム家を取材してました。

にぎやかな朝食風景に「まるで『ザ・フォスターズ』(2013年放映開始の、子供がいるレズビアン家庭を描く米ドラマ)みたい」と思いましたが、よく考えたらこっちの方が現実で、ドラマはそのいわば本歌取りにあたるんですよね。つまり、今ってようやくフィクションが現実に追いつきつつある時代なわけ。想像だけで「同性愛者は子供を育てられない」とうそぶいてる人たちが、少しはこういう現実に気づいてくれるといいのにと思います。