中国・広州のレズビアンカップルが結婚

2013年4月17日、中国の広州で女性同士のカップルが公開結婚式を挙げました。法的に有効な結婚ではないものの、ふたりは同性婚を認めて祝福してほしいと呼びかけているとのこと。

詳細は以下。

このカップルは「シャオシャオ」と「シャオヤン」と名乗っています。ふたりは広州最大のカトリック教会である石室聖心大教堂の前で指輪を交換し、ウエディングドレスで北京路を歩いて、道行く人にプラカードでメッセージを伝えたとのこと。

People's Daily Onlineの写真を見て、プラカードの中国語を機械翻訳してみました。「結婚は彼と彼女を区別しません」「レズビアンに祝福を」「愛は基本的人権です」ぐらいの意味っぽいです。

ちなみに広州は中国華南地区最大の都市。北京路はその広州の繁華街で、観光名所でもあります。石室聖心大教堂は、1863年から25年もかけて造られた、荘厳かつ巨大な石造りの教会。画像で見るとイメージが湧きやすいと思うので、ちょっと以下をごらんください。

こんな賑やかな場所で女ふたりで結婚式って、まずその勇気をたたえたいです。なかなかできるもんじゃないわ。

シャオシャオさんによると、ふたりは現在中国を訪問中のアイスランド首相、ヨハンナ・シグルザルドッティル氏にインスパイアされてこの計画を思いついたのだそうです。アイスランド2010年に同性婚法を可決していて、首相みずから同年6月に女性パートナーと結婚していますからね。中国メディアが同首相の妻の存在を無視する一方で、中国のPFLAG(同性愛者の子をもつ親たちの団体)は首相と奥さんの訪中を歓迎し、集まりに招待したりしています(残念ながら、実現はしなかったのですが)。

以下、シャオシャオさんのことば。


「中国では、レズビアンは結婚上の、そして金銭上の重荷に直面しています。結婚しない女性は『残り物』とみなされてしまいます。レズビアンは男性と結婚しないので、金銭面で自立しなければなりませんが、中国の労働市場では女性は不利な地位に置かれるのがふつうです。労働市場が性差別でいっぱいなのです」
"In China, lesbians face heavy marital and financial burdens. A woman will be regarded as 'leftover' if she doesn't get married. Not married to men, lesbians have to be financially independent, but women are usually put in an unfavorable position in the Chinese job market, which is full of sex discrimination,"

に、日本もあまり変わらない気が。昭和の時代よりは結婚圧力が減っているとは言え、やはり女性は結婚しないと生きていきづらい社会構造になってますもんね。労働市場の性差別については、言わずもがな。

シャオシャオさんのパートナー、シャオヤンさんは、以下のように話しているそうです。


同性婚が法制化されれば、レズビアンは法的な保護を得ることができます。でも、ほとんどのレズビアンは一歩踏み出して声を上げることを恐れているんです」とシャオヤンは述べた。「もっとたくさんのレズビアンが声を上げることができ、社会が彼女たちの言うことに耳を傾けられるようになってほしいです。社会が同性愛者の選択を尊重し、権利を守ることができるようになってほしいと思います」
"Legalization of same-sex marriages will bring lesbians legal protection. But most lesbians are afraid of stepping up to speak out," Xiaoyang said. "I hope more lesbians can speak up and society can listen to what they say. And I hope the society can respect homosexuals' choice and protect their rights."
アジアの家族主義って、裏を返せばヘテロ結婚主義でもありますから、ゲイやレズビアンは苦労しますよね。このカップルの勇気と行動力に拍手です。