「わたしは2人のママにかんぺきに育てられています」8歳少女、アンチ同性婚の大臣に手紙
英国の8歳少女が、アンチ同性婚派のウェールズ大臣あてに、自分はふたりのレズビアン・マザーに「かんぺきに」育ててもらっていると手紙を書きました。
詳細は以下。
この大臣デイヴィッド・ジョーンズ氏は、同性婚法案に反対票を投じています。今年のバレンタインデーにはテレビ局から同性婚への反対理由を問われ、以下のように答えているそうです。
わたしは、結婚とは何世紀もの期間をかけて発展してきた制度だと認識している。結婚の目的は、特に子育てのために暖かく安全な環境を提供するということにあり、これは同性パートナー同士ではできないことであるということは明らかだ。
I regard marriage as an institution that has developed over many centuries, essentially for the provision of a warm and safe environment for the upbringing of children, which is clearly something that two same-sex partners can’t do.
そこで、レズビアン家庭で育ったエリザベスちゃん(8歳)が手紙を書いたわけです。内容はこんな。
親愛なるジョーンズさん子どもはレズビアンやゲイのカップルに育てられるべきではない、ということにさんせいしないとあなたにつたえるために、この手紙を書いています。わたしはエリザベスという名前で、レズビアンの両親がいる子どもです。わたしにはピッパというあいしょうの妹がいて、ママがふたりいます。ひとりはケイトで、もうひとりはアリソンです。わたしはかんぺきにじょうずに育てられているので、あなたの意見がまったく理かいできません。わたしと、わたしの何人かの友だちはみんな、人はだれでもあいしてくれて、世話をしてくれて、ちゃんとしやわせ(原文ママ)にしてくれる人に育ててもらえばいいと思っています。お返事書いてくださいね!
エリザベス
Dear Mr Jones,
I am writing to inform you that I don’t agree that children shouldn’t be brought up by lesbian or gay people. My name is Elizabeth and I am a child with lesbian parents. I have got a little sister called Pippa for short and I have got two mums, one is called Kate and the other is called Alison. I have been brought up perfectly well so I don’t see any point in you saying that. Me and some of my other friends agree that you can be brought up by anyone who will love you and care for you and make sure your [sic] happy. Please write back!
Elizabeth
この手紙は、エリザベスちゃんのお母さん(のひとり)によって、twitterに投下されています。
ちなみにジョーンズ大臣の元発言に対し、ゲイの権利団体は「侮辱的で、攻撃的で、まちがっている」と批判を展開。英国のキャメロン首相も、スポークスマンを通じて、「自分は、同性愛者の家族は子どもを育てるための暖かく安全な環境を提供できると考えている」と表明しています。
一方、2月15日、ジョーンズ大臣は以下のような声明を出しているそうです。
「私は同性同士の献身的なパートナーシップを完全に支持すると強調していました。私はまた、シビル・パートナーシップには強く賛成しています」「インタビューでは、同性同士の親が養子を迎えるべきでないとは言っていませんし、それは私の意見ではありません」
“I made the point of stressing that I was fully supportive of committed same-sex relationships. I also strongly approve of civil partnerships.”
“I did not say in the interview that same-sex partners should not adopt children and that is not my view.”
話をずらしてませんか大臣?
アンタはっきり、同性同士では子育てのための暖かく安全な環境が提供できないって言ってるじゃん。それを根拠に同性婚に反対してるんじゃん。ゲイ団体や首相やエリザベスちゃんが問題にしているのは、その根拠がそもそもまちがっているってことなんだよ。そこについての反論もましてや謝罪もなく、いきなりシビル・パートナーシップの話にすりかえてるだけじゃないですかこの人。
この声明は結局、「ぼくちんシビル・パートナーシップには賛成してやってるんだから、同性婚に反対したっていいじゃん。だって同性同士じゃ暖かい子育てとかできないし! 根拠はないけどなんとなくそう思うの!」という悪あがきでしかないように、あたしの目には見えます。いいかげんな思い込みだけで人の自由や権利を制限し続けようとすると、こういう醜態をさらすはめに陥るという良いサンプルですね。せめて8歳児ぐらいの論理性は身につけようよ、仮にもオトナならさ。
だいたい、男女の既婚カップルに育てられた子どもだってしょっちゅう捨てられたり虐待されたり殺されたりしてるんですから、その点から言ってもジョーンズ大臣の意見は疑わしいと思うんです。エリザベスちゃんの言うとおり、子どもは「だれでもあいしてくれて、世話をしてくれて、しやわせにしてくれる人」に育ててもらうのがいちばんいいのであって、親のジェンダーは関係ないとあたしは思ってます。