米出版社、塗り絵本"Being Gay is Okay"(『ゲイでいていいんだ』)を出版

米国の出版社Really Big Coloring Booksが、"Being Gay is Okay"(訳すと『ゲイでいていいんだ』)というタイトルの塗り絵本を出版し、話題になっています。ゲイのロールモデルやゲイ家庭の塗り絵などがあるほか、LGBTの歴史や権利にも触れた内容となっており、さらに同性愛者の有名人のカードも同梱。

ざっと見た感じ、パパふたりと子どもふたりの家のたのしそうな朝食風景の塗り絵があったり、「同性愛者のステキなロールモデル」として婦人警官や消防士などさまざまな職業の人の塗り絵があったりするみたい。写真入りの有名人カードには、レズビアンではエレン・デジェネレスやジョディ・フォスター、ゲイだとアンダーソン・クーパーニール・パトリック・ハリスなどが登場しています。

子ども向けの本なので、文章も平易です。ちょっと訳してみます。


「学校には昔からいつでも、同性愛者の先生や、監督や、教育専門家がいます。いつでも、です。実際にはその人たちのほとんどが同性愛であることをかくしていて、このことは「クロゼットにいる」と呼ばれています。
"Gay teachers, coaches and educators have always taught in schools. Always. The reality is most of them have hidden their homosexuality, this is called being in the closet."

ヴィレッジ・ピープルについても出てきます。


ヴィレッジ・ピープルはニューヨーク・シティで1970年代に結成されたディスコ・グループで、楽しくておぼえやすい旋律や思わせぶりな歌詞はもちろん、アメリカ文化のステレオタイプを描いたステージ衣装でも有名です。
"Village People is a disco group that formed in New York City in the 1970s, well known for their on-stage costumes depicting American cultural stereotypes, as well as their catchy tunes and suggestive lyrics."

その他、「自分はゲイだと思っても、それでいい」と説明するページや、いじめへの対処について書かれたページ、ゲイを支援する15の団体のリスト、歴史上のゲイの偉人のページなど、さまざまな内容が盛り込まれている模様。ホモフォビアについても説明されており、ヒトラーやウエストボロ・バプティスト教会についての記述もあります。

出版社が特にゲイ向けの本に特化した会社ではないためか、やや疑問が残る部分もあると言えばあります。Windy City Timesでも指摘されている通り、"fabulous"(『ステキな』の意で、ゲイがよく使う語として有名)という単語を使いすぎている気がするし、カミングアウトしていないクイーン・ラティファをカードに入れるのもどうかと思うわ。とは言え、それでもやはりこういう試みはおもしろいし、大切なんじゃないでしょうか。

Amazon.comで見たら、この本の発売日は2013年3月22日で、4月8日現在「一時的に在庫切れです」(Temporarily out of stock)となっています。人気があって売り切れたのか、そもそも最初から入荷数が少なかったのか、どっちなんだろう?