NYニックス選手、Twitterでのアンチゲイ発言で罰金5万ドルを命じられる


NBAニューヨーク・ニックス所属のアマーレ・スタウダマイアー(Amar’e Stoudemire)選手が、Twitterでファンを「カマ野郎」(fag)と呼んだため、NBAから罰金5万ドルを命じられたそうです。
詳細は以下。

スタウダマイアー選手は、ファンのブライアン・フェレリ(Brian Ferrelli)さんから昨シーズンのパフォーマンスをTwitterで批判され、ダイレクトメッセージで以下のように発言したとのこと。


「ファック・ユー。おれには何の関係もねえよ、カマ野郎」
“Fuck you. I don’t have to do any thing fag.”

2012年6月26日、NBAは「侮辱的で軽蔑的な言葉を用いた」という理由で、同選手に罰金5万ドルを課しました。スタウダマイアー選手はTwitter上で謝罪の意を表明し、さらに公式声明で「自分はあらゆる人の公民権を支持している」「あんなことはするべきではなかったし、弁解の余地はない」と述べているそうです。

なおNBAは選手のアンチゲイ発言を減らそうと努力しており、昨年にはホアキム・ノア(Joakim Noah)選手やコービー・ブライアント(Kobe Bryant)選手が同じ言葉を使ってそれぞれ5万ドルと10万ドルの罰金を課せられているとのこと。

さて、こういう話題になると、自分をスタウダマイアー選手に投影して、「表現の自由の侵害だ」「これじゃ言いたいことも言えない窮屈な世の中になる」と言い出す方が必ずいらっしゃると思います。そのようにおっしゃる方は、まずNBA公式サイトの、こういったページをご覧になるとよろしいのでは。

これは公式サイト内の「Fan Voice」というファンによる投稿コーナーの利用規約です。そこには以下のように書かれています。


・軽蔑的な内容やヘイトスピーチの禁止
他の人の人種、ジェンダー、民族、宗教、性的指向その他のステータスを明らかに軽蔑的な書き方で描写する記事を投稿しないでください。
・No derogatory content or hate speech
Do not post content that depicts another person's race, gender, ethnicity, religion, sexual orientation, or other status in a patently derogatory manner.
ごくまっというな規約だと、あたしは思います。そして、ファンには人の性的指向を軽蔑的に描写する表現を禁じておいて、選手のそれは野放しというのでは筋が通らないとも思います。あと、あたしはバスケットボールにはくわしくないんですが、根拠がなければ罰金もないわけで、選手がサインした契約内容に含まれてるんじゃないですか、こういうことは?

そんなわけで、このニュースを見て「NBAひどい/表現の自由の侵害/これではおれさまが大手を振って同性愛者の悪口も言えない世の中になってしまう」などとお思いの方はまずNBAにメールでもお書きになり、「他の人の人種、ジェンダー、民族、宗教、性的指向その他のステータスを明らかに軽蔑的な書き方で描写する」表現を誰に対しても公式に認めろ、契約書にもそう書いておけと訴えられてはいかがでしょうか。たぶん聞き入れてはもらえないと思いますが。