NYの14歳ゲイ少年、いじめを止めなかった学校区から賠償金5万ドルを勝ち取る
ニューヨークの学校で嫌がらせや暴力や脅迫などのいじめを受けたゲイ少年が、いじめを止めなかったモホーク・セントラル学校区を訴え、和解に達して賠償金5万ドルを勝ち取ったというニュース。
この少年のファーストネームはジェイコブで、名字は明かされていません。学校区はこの裁判で、賠償金の他に2万ドルの訴訟費用を払い、ジェイコブ君の2013年6月までのカウンセリング代を週100ドルを上限として負担し続けなければならないこととなりました。
ジェイコブ君はゲイであることと、ジェンダー・ステレオタイプに従わないことを理由としていじめられていたのだそうです。ニューヨーク自由人権協会(NYCLU)がジェイコブ君の代理となって訴訟を起こし、学校区はいじめの事実を知りながら何ら措置を講じなかったと主張。学校区の方は、ジェイコブ君がいじめについて知らせても職員が「故意に冷淡に」していたという申し立てを否認していました。そこに合衆国司法省が介入の動きを見せ、連邦教育法第9編*1に基づき、ジェンダー・アイデンティティによる差別は違法となり得るとして議論を推し進めたのだそうです。
なお、今回の和解で、この学校区は、お金の支払いだけでなく、「職員の再教育」「性別、ジェンダー・アイデンティティ、ジェンダー表現、性的指向にもとづくハラスメントについての方針の見直し」「ニューヨーク自由人権協会と司法省への報告」なども命じられたとのこと。
賠償金をただ支払わせて終わりではなく、同じようないじめを防止するための具体的措置も義務づけるってところがいいですね。なおジェイコブ君の父親は、お金はジェイコブ君の将来のために使うと語り、これを機に他の学校区も変わってくれることを望むと話しているとのことです。