スタンガンでいじめから身を守ろうとしたゲイ高校生、1月まで除籍処分に


「スタンガン空打ちでいじめっ子から身を守ろうとしたゲイ高校生、退学の危機に - みやきち日記」の続報です。インディアナポリスの高校で、スタンガンでいじめっ子を追い払ったために停学になっていたダレル・「ダイナスティ」・ヤング(Darnell "Dynasty" Young)君が、2013年1月まで除籍処分となったそうです。

詳細は以下。

事件のあらましをおさらいしておくと、ヤング君はカミングアウト済みのゲイで17歳。2011年にアーセナル技術高校(Arsenal Tech High School)に転校して以来、ゲイであることを理由に石を投げつけられたり、猥褻な噂を流されたり、殴ると脅迫されたりしていました。学校にかけ合うもいじめは解決されず、母親はヤング君に護身用にとスタンガンを与えました。ある日6人のいじめっ子に囲まれ、「ぶちのめす」と脅されたヤング君は、スタンガンを空中で放電させていじめっ子たちを威嚇。ところがその数分後、彼は駆けつけてきたセキュリティに手錠をかけられ、停学処分となってしまいました。


「学校区はいじめは許しませんが、いかなる理由があれど武器を学校に持ち込むことは認めません」インディアナポリスパブリック・スクールズのスポークスウーマンは火曜日に語った。「この規則を破る生徒は責任を取らねばなりません」
"While the district does not condone bullying, it also does not allow weapons to be brought on our school campuses for any reason," a spokeswoman for Indianapolis Public Schools said Tuesday. "Students who violate this rule will be held accountable."

というわけで、ヤング君は停学のみにとどまらず、2012〜2013年の第1学期の残りの期間、つまり2013年1月まで学校から除籍されることになったそうです。

なお上のスポークスウーマン氏(Mary Louise Bewleyさん)によると、この学校区では生徒は幼稚園から12年生までいじめ反対プログラムに参加することになっているのだそうです。さらに、ヤング君の学校も含めてゲイ・ストレート・アライアンス(LGBTとその支持者が、共にLGBTのサポートや啓発活動を行うための学生クラブ。略称はGSA)もあるとのこと。でも、それでもいじめが起こってるんなら、プログラムやGSAがうまく機能してないってことなんじゃないかとあたしは思うんですが。そっちの見直しやアップデートはしないんでしょうか。

ちなみにヤング君が手錠をかけられた後、「学校職員はこの事件を調査しているが、ヤングを取り囲んでいたと言われる生徒は誰一人として特定されていない」のだそうです。これじゃ、もういじめられっ子は格闘技を習うとか、ICレコーダーや小型カメラを常備して証拠を固めるとかする以外に選択肢がなさそうですね。日本とあまり変わらない状況かも、と暗澹たる気持ちになりました。