マイクロソフト、「フォート・ゲイ」在住ゲーマーのXbox Liveアカウントを停止したのち謝罪

あるXboxゲーマーが、たまたま「フォート・ゲイ」("Fort Gay"、直訳すれば『ゲイの砦』)という名の町に住んでいたことから、マイクロソフトに「侮辱的な単語を使った」と誤解され、Xbox Liveのアカウントを停止されてしまったそうです。のちにマイクロソフトは過ちを認め、謝罪したとのこと。
詳細は以下。

アカウントを止められてしまったのは、米ウエスバージニア州フォート・ゲイ在住のJosh Mooreさん(26)。フォート・ゲイは、人口800人の小さな町だそうです。マイクロソフトのカスタマーズ・サービスから「侮辱的な語の使用」を理由にアカウントを停止したと告げられてしまったMooreさんは、


『うわっ、誰かが俺をウエスバージニアかどこかでいちばんゲイな町に住んでると思ってるんだ』
Wow, somebody’s thinking I live in the gayest town in West Virginia or something,’”

と思ったそうです。
Mooreさんはマイクロソフトの従業員にGoogleでフォート・ゲイの郵便番号を見てくれと言いましたが、聞き入れてもらえなかったとのこと。マイクロソフトはさらに、プロフィール詳細にフォート・ゲイと入れて再送信したらXbox Liveのアカウントを恒久的に抹消し、プリペイドのお金も返さないと警告までしてきたのだそうです。

結局、フォート・ゲイの町長やローカルTV局の協力でようやくマイクロソフトに間違いを認めさせ、謝罪の上アカウントを元通りにさせることができたんだそうです。

Xbox Liveのポリシー・マネジャーのStephen Toulouse氏は、誤りがあったことを認め、これを機にアカウントについての研修をアップデートしたと語っているとのこと。

Xbox Liveって、ゲーマータグやプロフィールで「ゲイ」という単語が使えるようになったはずなのに、まだこんなことがあるんですね。まるで、今年4月のフェイスブックの『Band Fags!』ファンページ削除事件みたい。機械的に単語だけを見て文脈を無視するから、こんな妙なことが起こるのでは。
かつて同性愛者が自ら選んで使い始めた「ゲイ」という語が、今ではすっかり「侮辱的な」(offensive)語とされてしまっていることを見ても、単語にばかり拘泥することには意味がないと思います。くだんのマイクロソフト職員も、せめてGoogleぐらい見ればよかったのに。あるいは、Wikipediaでも(ちゃんとフォート・ゲイのページがあるんですよ)。

単語・語句など

単語・語句 意味
fall on deaf ears (頼み・忠告などが)無視される、顧みられない
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