スコットランドの異性愛者教師、ホモフォビックな嫌がらせを受け訴訟に踏み切る

スコットランドの高校教師James Campbellさんが、生徒達からホモフォビックな嫌がらせを受けたとして雇用裁判所に訴えを起こしたというニュース。Campbellさんは異性愛者であるにもかかわらず、生徒達から「変態(perv)」「ゲイ(gay)」「オカマ(poof)」「キモイ(weirdo)」などと呼ばれ、2007年に早期退職した後、現在も苦しんでいるとのこと。自分が受けたホモフォビックな侮辱は性差別に相当する、と彼は主張しています。

なお、英国のSexual Orientation Regulations(性的指向による差別を禁じる法)では、性差別を「性的指向に基づいて誰かをハラスメントの対象にすることで、相手の尊厳をおとしめることを目的としていたり、または結果として相手の尊厳をおとしめたり、あるいは脅迫的、敵対的、侮辱的、屈辱的もしくは不快な環境を作り出すもの」と定義しているそうです。

これが日本だったらどうでしょう。「先生が生徒に悪口を言われるぐらい当たり前」とか「ゲイと間違えられる方にも問題が」とか「裁判まで起こさなくても」とか言われて終わりなんじゃないか、というのは考えすぎでしょうか。でも、そもそも性的指向による差別を禁ずる法自体がない上に、そうした法を作ろうとしたところでマジョリティ様が「表現の自由の侵害だ」とか「そんなことをしたら同性愛者が増えて国が滅びる」とか言い出して全部潰しちゃいそうな国なんですよね、日本って。(参考:宮崎県都城市 同性愛者の人権擁護をうたった条例が見直しへ - ゲイジャパンニュース宮崎県都城市 男女共同参画社会づくり条例から「性的指向」を削除 - ゲイジャパンニュース

ちなみにCampbellさんから訴えられた雇用主は、この訴えは時効だと言っているようです。判決はまだ出ておらず、続報が待たれます。

単語・語句など

単語・語句 意味
retribution 報い、仕返し、報復
constitute …を構成する
intimidate …をおどす、脅迫する
degrade 侮辱する