ゲイ嫌いの歌手アニタ・ブライアントが再びアンチゲイ・キャンペーンに登場

オレンジジュース屋の手先にして「歌うホモフォーブ」ことアニタ・ブライアントが、オクラホマシティのアンチゲイ・イベントでステージをつとめるというニュース。

このイベントは、同性愛反対派のキリスト教団体「Christians in Yukon」が主催する、「Reclaiming America for Christ会議(直訳すると、『キリストのためにアメリカを改心させる会議』)なるもの。開催期間は2010年7月9日〜10日で、アニタ・ブライアントは9日に登場とのことです。

アニタ・ブライアントがなぜ「歌うホモフォーブ」なのかは、『MILK -ゲイの「市長」と呼ばれた男、ハーヴェイ・ミルクとその時代』(ランディ・シルツ[著]/藤井留美[訳]、祥伝社)レビュー)に詳しいです。1969年にフロリダ柑橘類協会(Florida Citrus Commission)のスポークスウーマンとして名をはせたアニタは、70年代に「子供達を救え」(Save Our Children)という名の反ゲイキャンペーンを大々的に展開。「同性愛者は子供を狙って仲間に引きいれようとしている」と主張して、ゲイの公民権獲得を阻止しようとしました。このキャンペーンは他州にも広がり、反差別法を撤廃させるなど、政治にも影響。これに対する抗議として、米国じゅうのゲイバーがオレンジジュースのボイコットを行い、バーのメニューからスクリュードライバーを消してしまったそうです。ゲイバーでは代わりにウォッカとリンゴジュースを使った「アニタ・ブライアント」という名のカクテルが売られ、その売り上げは同性愛者の権利運動に使われたとか。以来、ゲイ・コミュニティではアニタ・ブライアントと言えば「クイーン・オブ・ゲイ嫌い」の代名詞になっています。

ただこの人、最近はそう名前も聞かなかったのに、なんで今さら出てくるのかがちょっと謎なんですよね。Advocate. comのコメント欄での反応が面白かったです。


あ〜。もうオレンジジュースを飲んでも大丈夫だと思ったとたんにこれだよ。まるでひどいホラー映画の続編みたい。
Ugh. Just when you thought it was safe to drink orange juice again. It's like a bad horror movie sequel.


レディース・アンド・ジェントルメン、アーンド、ブッチとフェムと熊とキュートな若者たち、クリームパイを用意して狙いを定めるのよ。
Ladies and Gentlemen Butches and femmes Bears and Twinks Prepare your cream-pies and take aim.

なお、このイベント「Reclaiming America for Christ」は、アメリカのキリスト教的伝統への復帰を訴え、イスラム教徒と同性愛者を撲滅する運動を呼びかけるものだとのことです。海を越えてクリームパイを投げつけるべきでしょうか、あたしも。こう、ドリフのコントも真っ青な勢いで。

単語・語句など

単語・語句 意味
sequel 続編