オーストラリアの大臣、ハッテンバを出るところを録画され辞任

オーストラリアのDavid Campbell運輸相(51)が、2010年5月18日、シドニーにあるゲイ・セックス・クラブを出るところを録画され、大臣の職を辞任したというニュース。

このクラブ「Ken's of Kensington」は、「男性が好きな男性のための場所」と宣伝されており、サウナやラウンジなどがあるとのこと。要するにハッテンバですね、これは。

録画を行ったのはSeven Networkで、映像は5月20日に放映されたそうです。番組では、Campbell氏が公用車でこのハッテンバに行ったことが強調されていたとのこと。同日夜、Campbell氏は「個人的な理由で退職する」との意を表明。声明には「妻と家族、同僚、スタッフ、そしてコミュニティに、失望させてすまないと謝罪します」とあるそうです。ちなみにCampbell氏には33年間連れ添った妻と、成人済みの2人の息子がいます。

なんだかもやもやする一件です。同性愛者/両性愛者であることは犯罪じゃないし、ハッテンバでセックスすることだって合法なはず。妻に「浮気してすまん」「ヘテロだと騙していてすまん」と謝罪するというのならまだわかるんですが、どうしてそこで「同僚、スタッフ、そしてコミュニティ」が出てこなければならないのか、そして職を辞任までしなければならないのかが今ひとつわかりません。だいたい、Seven Networkのやったことって、単なるアウティングですよね。クロゼットにいる人を明るみに引きずり出して辞職させて、それでいったい何の得になるんですか。

省庁の車でハッテンバに行ったことを強調するというのも、あざとい感じがしてなんだか嫌だと思いました。行く先がたとえば教会でも、「納税者が費用を負担している車("taxpayer-funded car")を使うとはけしからん」とか言っていちいち報道するのなら別ですが、そうじゃないわけでしょう? そんなわけで、いろいろと釈然としないニュースでした。