米サンフランシスコのバイセクシュアル警官、レズビアンの警官たちを差別で訴える

サンフランシスコのバイセクシュアル警官Lori Dutraさんが、同じ署で勤務するレズビアン警官たちを差別で訴えたというニュース。

Dutraさんが5年間勤務していたミッション署は、ゲイタウンであるカストロ地区を担当しています。そのため同性愛者の警官が多く、Dutraさんによれば「レズビアンでない女性は違う扱いを受け」て署を去っていく傾向にあるのだとか。

両性愛者のDutraさんが2007年3月に男性とつきあい始めたところ、署の女性警官たちからの嫌がらせが発生。嫌がらせをしていたとされる4人のうち3人がレズビアンです。

この女性警官たち(Dutraさんの上司も含まれます)は、Dutraさんの恋人(現在は夫)の写真を見て「不法入国のメキシコ野郎みたい」と揶揄。さらに、それまで高い勤務評定を得ていたDutraさんを「感情的過ぎる」ため警官の仕事に向かないとする文書を作成し、サンフランシスコ警察の指揮系統に送付。このためDutraさんは一時的にミッション署からトレジャーアイランドの行動科学課に移動させられることになってしまいました。この文書が自分の昇進に悪影響を及ぼしている、とDutraさんは主張しています。

ちなみにDutraさんの弁護士Phyllis Andelinさんによると、Dutraさんは自分をレズビアンだと思ったことは一度もないが、署内にレズビアンの友人が多く、警察のLGBT団体でも積極的に活動していたため、周囲の警官は彼女をレズビアンだと思っていたのかもしれない、とのこと。

なお、被告側の弁護士は、被告たちはDutraさんの夫についてレイシスト発言はしていないと主張。また、指揮系統に送った文書には事実を書いただけで、それがDutraさんの昇進に影響しているという証拠はないと言っているそうです。

レズビアンによるバイセクシュアル差別って本当によくあることなので、この事件の真相がいったいどうなのか気にかかります。映画『GO FISH』レビュー)の中でも描かれていましたが、バイセクシュアル女性が男性とくっついたときのレズビアン・コミュニティからの敵意って、ほんと異様ですから。もちろん全てのレズビアンがそういう反応をするわけではありませんが、男性とつきあうバイセクシュアル女性を意味もなく裏切り者扱いしたり(誰が誰を裏切ったっての?)、「やっぱり男がいいのか」と責めたり(男が良くて何が悪い?)する人がいるのは事実。この裁判はまだ数週間続く予定だそうですが、最終的にどのような判決が下されるのか、とても気になっています。

単語・語句など

単語・語句 意味
chain of command (軍隊などの組織の)指揮[命令]系統
Behavioral Sciences Unit 行動科学課