オハイオ州、LGBTの若者の喫煙予防プロジェクトに着手

米国オハイオ州で、LGBTの若者の喫煙を食い止めるプロジェクトが始まるというニュース。

アメリカの疾病管理センターの推計によると、LGBTの若者の喫煙率は、非LGBTの若者より60パーセントも高いんだそうです。そこで今回、オハイオ州クリーブランドで「ButtOut Ohio project」なるプロジェクトを始め、LGBTユースに喫煙の害を教えたり、禁煙の助けになるリソースを提供したりすることになったとのこと。

問題は、若者は旧来のメディアによるキャンペーンにあまり関心がないことと、LGBTバレを恐れてキャンペーンにアクセスしたがらないのではないかということみたい。これは日本でも同じような状況かも。でも、LGBT人口すら把握されていない上に、性的マイノリティと健康と言えばおおむね「俺たちヘテロエイズをうつすな」ぐらいの認識しかされていない日本よりはよっぽど先を行ってるよね、このプロジェクト。

ちなみに性的少数者異性愛者の対照群と比べると酒・タバコ・ドラッグなどの使用率が高いというデータは既にいろんな研究で示されているはず*1。と言うと「やっぱり変態連中はだらしないのだ」みたいな斜め上の解釈をする人も出てくるかもしれないので念のために言っておきますが、違いますよ。アンタ達みたいな連中による差別と偏見のせいですよこれ。以下、Gay, Lesbian, Bisexual Drug Abuse and Alcohol Abuseより引用。


同性愛がドラッグやアルコールの濫用を引き起こすと決め込まないことが重要である。ゲイ男性やレズビアンバイセクシュアルが社会の同性愛嫌悪的な態度や信念を内面化してしまうと、ひどい結果がもたらされ得る。社会の憎悪が自己への憎悪となってしまうのである。そのために孤立や絶望感、低い自己評価、自滅的な行動などが引き起こされる可能性がある。ゲイ男性やレズビアンバイセクシュアルの中には、他人と違っているという感覚を麻痺させたり、精神的苦痛をやわらげたり、性的な感情を抑圧したりするための手段として薬物濫用に走るものもいる。
It is important not to assume that homosexuality causes gay drug abuse or gay alcohol abuse. When gay men, lesbians and bisexuals internalize society's homophobic attitudes and beliefs, the results can be devastating. Society’s hatred becomes self-hatred. It can lead to feelings of alienation, despair, low self-esteem, self-destructive behavior and substance abuse. Some gay men, lesbians and bisexuals resort to substance abuse as a means to numb the feelings of being different, to relieve emotional pain or to reduce inhibitions about their sexual feelings.

そんなわけで性的マイノリティにはマイノリティであるがゆえの健康上の問題があり、HIV/AIDS対策だけやっときゃいいってもんでは決してないと思うんです。オハイオ州のこの取り組みが無事成果を上げるといいですね。

単語・語句など

単語・語句 意味
pilot 指導の、試験的な