アメリカ人ゲイ男性2名、長時間キスの世界記録を達成

2人のアメリカ人ゲイ男性が2010年9月18日から19日にかけて約33時間キスし続け、長時間キスの世界記録を樹立したそうです。この2人は友人同士で、ギネスブック登録を望んでいます。彼らがこの記録に挑戦したのは、LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダークィア)の若者の自殺防止に取り組む「トレヴァー・プロジェクト」についての認識を高めるためだとのこと。

詳細は以下。

今回記録を達成したのは、ニュージャージー大学の学生であるMatty DaleyさんとBobby Cancielloさん。正確な記録は、32時間30分45秒20ミリ秒。この2人が長時間キス記録にチャレンジしたのは、10代の性的少数者の自殺防止用ヘルプライン(悩みや訴えを聞く電話サービス)「トレヴァー・プロジェクト」を知ってもらうためだとのこと。

ちなみにThe World Record For The Longest Kissによると、ギネスブックの長時間キス記録のルールは以下の通りです。

  • キスは途中で中断してはならず、終始唇が触れていなければならない。
  • 唇が離れたら、その瞬間に失格となる。
  • 競技者は、キスが行われる国での性交同意年齢に達していなければならない。
  • キスをするカップルは、眠ってはならない。
  • 競技者はキスの間立っていなければならず、枕、クッション、他の人などに身体を支えてもらってはならない。
  • キス中の休憩は許されない。
  • 尿漏れパッドや大人用おむつの使用は許されない。
  • カップルはキス中にその場を離れてはならない。

かなり厳しいルールですね、これは。DaleyさんとCancielloさんは、何ヶ月もかけて、長時間立ち続ける練習をしたり、キス中にストレッチしたり動いたりしたくなった時に手で行う合図を工夫したりしたそうです。

この長時間キスでCancielloさんがもっともつらかったのは筋肉痛で、一方Daleyさんは開口障害になったとのこと。それでも、これはゲイの可視性を高めるという意味でやる価値があったと2人は言っています。CanicielloさんがNJ.comに語ったところによると、彼らにはひとりのティーンエイジャーからこんなメッセージが届いているそうです。


「あなたたちのしたことのおかげで、自分の性的指向についてずっと気が楽になりました。両親にカムアウトしようと思っています」
"because of what you guys did, I'm feeling a lot more comfortable with my sexuality and I think I'm going to come out to my parents".

DaleyさんとCancielloさんが世の認識を高めようとしたトレヴァー・プロジェクトについて、以下、うちの過去記事より引用してみます。


「ザ・トレヴァー・プロジェクト」は、10代のゲイが主人公のコメディ映画"Trevor"を機としてつくられた組織。ホットラインの他に、ワークショップや教材、ネットでの情報提供などを通じてLGBTQの若者の危機に対処し、自殺防止をはかることを目的としています。オーガナイザーによると、ホットラインは開設以来何百本もの電話を受けており、去年の電話相談の数は300パーセント増だったそうです。

このプロジェクトは、俳優のダニエル・ラドクリフ寄付をしたりCM出演したことでも知られています。
CMはこちら。

同性愛を始めセクシュアル・マイノリティ関連の話題になると、「勝手にしろ、ただし人目につかないところに隠れていろ」という人が必ずいますよね。でも、性的少数者の自殺率は、異性愛者のそれより高いとする研究結果が既に出ています。そして、トレヴァー・プロジェクトのような団体やLGBTQ当事者が、もし「人目につかないところに隠れて」いたら、自殺企図で苦しむ性的少数者は見殺しです。
http://ajph.aphapublications.org/cgi/reprint/88/1/57.pdfによると、同性愛者/両性愛者と異性愛者では、自殺を図ったことのある人の率には以下のような違いがあるそうです。

  自殺を図ったことのある率
同性愛者/両性愛者男性 28.1%
同性愛者/両性愛者女性 20.5%
異性愛者男性 4.2%
異性愛者女性 14.5%

あたしは仲間(と言ってしまいますよ大雑把に)を見殺しにしたくないので、隠れないし黙らないし*1、こういうニュースもガンガン紹介しますよ。これまでも、そして今後も。

単語・語句など

単語・語句 意味
lockjaw 開口障害
incontinence 失禁

*1:だからと言って性的少数者が全員クロゼットから出て意見表明しまくるべきとかも全然思いませんよ! 皆、自分の考えにもとづいて好きにすればいいと思ってます。つか、「隠れている」という選択肢だって選べるようでなきゃ困る。本当は、性的少数者が隠れようと隠れまいと誰もなんにも困らない社会じゃなくちゃ困る。要は『LGBTQのいる場所を、非LGBTQが勝手に決めようとするんじゃねえ』『それで弊害が生じるとあってはなおのこと』ってことです。