テネシー州のLGBTサイトフィルタリング事件で示談成立

「米テネシー州の107校の公立学校、LGBTサイトへのアクセスを不法にブロック。ただし「ゲイを治療する」サイトへのアクセスは許可 - みやきち日記」及び「テネシー州の学校、LGBTサイトのフィルタリングを解除 - みやきち日記」でお伝えした件の続報です。

2009年8月13日、アメリカ自由人権協会(ACLU)が、この訴訟を示談で解決したと発表したそうです。この事件のこれまでの流れを簡単におさらいしておくと、

  1. 米国テネシー州の2つの学校区が、学校のPCからLGBTサイトにアクセスできないようにしていた
  2. LGBT生徒向けの奨学金情報など、わいせつでも何でもない情報のサイトがブロックされる一方で、なぜかEx-gay(同性愛者を異性愛者に『治療』するという触れ込みのセラピー)のサイトにはアクセスできるようになっていた
  3. これを違法として、ACLUが訴訟を起こしていた

というもの。

今回、これらの学校区は、示談の一環としてブロッキングの解除に同意したとのこと。ACLUは、もしまたLGBTサイトがブロックされるようなことがあれば、いかなる時でも再び訴訟を起こすと言っています。

以下、ACLUのTricia Herzfeld弁護士の言葉。


「これらの学校がついに、自由で開かれた意見や情報の交換を許可するという法的な義務を果たしてくれて嬉しく思います。学校が、LGBTに関することは何でも自動的に性的なことであるとか、不適切なことであるとかいう見当違いの憶測に基づいて教育的な情報を検閲するのは、生徒にとって有害です。
「今回の件について、両方の教育委員会が、生徒の権利を尊重し、今後この種の検閲を行わないということに同意してくれて、嬉しく思っています」
"We're pleased that these schools are finally living up to their legal obligation to allow the free and open exchange of ideas and information. Schools that censor educational information out of some misguided assumption that anything about LGBT people is automatically sexual or inappropriate are doing a disservice to their students.
"We are pleased that both school boards in this case have agreed to respect students' rights and refrain from this sort of censorship in the future."

LGBTに関することは何でも自動的に性的なことであるとか、不適切なことであるとか」いう憶測は、日本にも嫌というほど流通していますよね。だからよけいに、これって他人事ではないと思います。まずは「フィルタリングをやめる」という方向できちんと和解成立したようでよかった、よかった。

単語・語句など

単語・語句 意味
live up to …に恥じない行動をする、…を実践する、…をちゃんと果たす[守る]
misguided 心得違いの、見当違いの
assumption 仮定、想定、仮定条件、憶測、決めてかかること
disserve …に害をなす、傷つける、そこなう、ひどい仕打ちをする、あだをなす