フランス製「ホモ狩り」ゲーム、ゲイ・コミュニティの激怒を呼ぶ

グルジアのサーバに置かれている「ホモ狩り」ゲームがゲイ・コミュニティの激怒を呼んでいるというニュース。ゲームの内容は、「レイプされる前に裸のゲイたちを撃て」というもので、製作したのはフランス人。フランスでは禁止になったこのWebゲームですが、グルジアでは禁止されておらず、公開されたままだとのこと。

問題のゲーム(ゲーム名は"Watch out behind you, hunter"、訳すと『後ろに気をつけろ、ハンター』)はこちらでプレイすることができます。ちょっとやってみればわかるけど、撃たれると血を流して死ぬんですよ裸のゲイが。一定人数を撃ち殺してステージクリアすると、画面には「おめでとう! あなたはレベル○に到達しました。ボーナス○○○点」というメッセージが流れます。「おめでとう」ですか。へえ。

最初にこのゲームを批判したのはGay Caucasus blogで、Gay Armeniaがそれに続きました。試しに今、Gay Caucasus blogのエントリをGoogle翻訳で英訳して読んでみたのですけれど、グルジアでこのゲームを公開したのは、games.jeje.geという、子供や若者向けのWebゲームのサイトらしいです。6歳ぐらいの子供がゲームしに来るサイトなんだそうですよ。Gay Armeniaの筆者は、このゲームを「胸が悪くなる、実にホモフォビックで不愉快なゲーム」とし、「子供や10代の若者に向けたサイトだからこそ、いっそう容認できない」と述べています。

以下は、このゲームを最初に公開したフランスのサイトuzinagaz - site de jeux et blagues animées gratuits en flashの管理者Jean Christophe Calvet氏の発言。


このゲームを公開したのはずいぶん前(2002年)で、とてもうまくいっていました。それから数年経って初めて、同性愛者の人権団体が、私たちに対して法的アクションを起こしました。だからゲームをひっこめました。もうフランスのサイトではこのゲームを手に入れることはできませんが、海外サイトに広がったものまで一掃することは不可能です。
We launched this game a long time ago [2002] and it worked very well. It was only a few years after it came out that a gay rights association took legal action against us. So we withdrew the game. It's no longer available on French sites, but it's impossible to wipe it from all foreign sites too.

当初はなぜ人権団体に攻撃されるのか本当にわからなかったと言わねばなりません。このゲームを提案したStéphane Aguieはハンターや赤っ首野郎(保守的で粗野な田舎者)をからかいたかったのであって、ゲイ男性をからかいたかったわけではありません。
I have to say that at the beginning, we really didn't understand why the association was attacking us. The guy who came up with the game, Stéphane Aguie, wanted to mock hunters and red-necks, not gay men.
私たちのゲームは政治的に正しくありません。ターゲット層はティーンエイジャー(12歳から18歳)で、彼らには子供っぽいユーモアのセンスがあるというのが事実です。このゲームは特にショッキングに思われるだろうと今では理解していますが、言論の自由の名において、この種のジョークを作り出すことは認めるべきだと思います。ちなみに、ゲイコミュニティのすべての人がこのゲームの禁止を支持しているわけではありません。
Our games are not politically correct. They're aimed at teenagers (12-18) and it's true that they're of a juvenile humour. I realise now that this one in particularly could be found shocking, but I believe that you should be able to make this kind of joke in the name of freedom of speech. Incidentally, not everyone in the gay community was supportive of banning the game.

ふざけんな。「同性愛者はセックスのことで頭がいっぱいな変態で、隙あらば異性愛者をレイプしようとしている」っていう典型的な迷信をせっせと再生産してるだけじゃないですかこのゲーム。日本の百合漫画なんかでもうんざりするほど拡大再生産されているこの偏見ですが、おフランス発のWebゲームでも世界に向かって大公開されてたのねー。いち同性愛者として、ホントもうマジ迷惑なんでやめてほしいです。「レズビアンです」と名乗ったとたんに「襲わないでね」とニヤニヤしたり、顔を歪めて「私、そういうシュミはないんですけど!」と怒り出したりするバカ異性愛者たち(異性愛者が全員そうだとは決して言いませんが、そういう人が実在することは事実です)にあたしがどれだけうんざりしてるかなんて、このフランス人にはわからないんだろうな一生。

おまけに子供のユーモアのセンスのせいにしてるところも卑怯すぎるし、「ゲイでなくハンターをからかいたかった」なんて嘘くさい言い訳にもうんざり。プレイヤーはゲームの主人公(この場合だとハンター)に自分をアイデンティファイして楽しむというのがゲームの定石だし、「裸でケツを振るレイピスト(しかも撃ち殺されるべき敵キャラ)」と決めつけられたゲイの側がからかわれていないだなんて、寝言は寝て言えっつーのよ。

あとさー、言論の自由って、「公権力によって」国民の言論が妨げられることを阻止するために認められているものであって、国民がある特定の集団(それも、不当に低く取り扱われがちな集団)を中傷することにお墨付きを与えるためのものではないと思うんですけどね。そもそも誰かをレイピストに仕立て上げ、それを撃ち殺すことを是とする表現を世に放ったら批判が出てくるのはあたりまえで、「なぜ人権団体に攻撃されるのか本当にわからなかった」だなんて頭は大丈夫かと言いたくなります。言論の自由を謳うなら、「思想の自由市場」において対抗言論にメッタメタに批判されることぐらい予測しとけば? もう一度言うけど、ふざけんじゃないわよ!

単語・語句など

単語・語句 意味
infriate 激怒させる
hateful 不愉快な、嫌な、いまいましい
incidentally ついでながら、ちなみに、ところで