ネバダ州のカジノチェーン、ゲイの権利を擁護

ネバダ州ラスベガスでカジノとホテルを経営するHarrah's Casino and Hotelが、州議会に対し、「ドメスティック・パートナー法の不成立が州の経済に与える打撃を考えてほしい」と訴えているというニュース。

ネバダ州の下院では先日、同性カップルに婚姻カップルと同等の権利を与えるドメスティック・パートナー法案が可決されました。上院もこれを認めました。しかしながら、Jim Gibbons知事はこの法案に対し拒否権を行使すると言っており、これを受けてHarrah's Casino and Hotelが抗議に踏み切った模様。
Trading Marketによると、同社は議員たちにあてた手紙の中でゲイやレズビアン可処分所得の高さに言及し、

「当社はこのコミュニティ(訳注:同性愛者のコミュニティのこと)に対して積極的にマーケティングをしています」
"Our company does aggressive marketing to this community,"

「どうして同性愛者たちに、『あなたたちと商売上の取引はしたいが、あなたたちの権利など知ったことではない』などと言えるでしょうか?」
"How can we say to them 'we want your business, but we don't care about your rights.'"

と訴えているとのこと。

Harrah's Casino and Hotelの憂慮ももっともなことだと思います。というのは、アメリカでは最近、カリフォルニアのアンチゲイなホテルが、ゲイたちのボイコットで推定200万ドルもの損益を出したりしているからです。まずはこのへんのニュースをご覧ください。

こちらの一件の成り行きはこんな。

  1. カリフォルニア州でふたつのホテル(Manchester Grand Hyattとthe San Diego Marriott Hotel and Marina)を持っているDoug Manchester氏が、同性婚に反対する団体に12万5千ドルを寄付
  2. 同性婚推進派がホテルのボイコットを開始。両ホテルは10ヶ月で推定2百万ドルの損害をこうむる
  3. 慌てたDoug Manchester氏、ゲイの広告スタッフを雇い、ドメスティック・パートナー制度やシビル・ユニオンを支持する団体に寄付をすると発表
  4. Manchester氏、「今さら遅い」「結局同性婚には反対なんかい」と失笑をかう←今ここ

もしネバダ州がゲイに対してアンフレンドリーだという評判が高まれば、同性愛者の客は「ラスベガスはやめてアトランティック・シティで遊びましょ」ってことにもなりかねません。そうなれば、ラスベガス全体に、このホテルの件どころではない大損が生じる可能性もあるわけです。そりゃ、Harrah'sも心配するわよね。ネバダ州の今後の動向が気になるところです。