オランダ人歌手「モスクワ警察がゲイパレードを弾圧するなら、ユーロビジョンには出ない」

オランダのバンド「The Toppers」のリーダーGordonさんが、「もしモスクワ警察がゲイ・パレードを暴力でやめさせたら、ユーロビジョン・ソング・コンテスト勝戦をボイコットする」と発言したというニュース。

先日のエントリでもお知らせした通り、モスクワ市当局は5月16日に同市で予定されているゲイ・パレードに開催許可を与えず、「断固たる取り締まりを行う」と宣言しています。モスクワでは同日「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」という国際的音楽イベントの決勝戦が行われることになっており、パレードのオーガナイザーはコンテスト参加者たちに「テレビ放送を使ってLGBTの権利への支持を表明してほしい」と呼びかけていました。Gordonさんはその呼びかけに答えた最初の1人ということになります。

ちなみにロシアでは先日、下院が「同性愛のプロパガンダは犯罪とみなす」という法案を却下していたりもするのですが、だからと言って即プライド・イベントに寛容になるわけでもないようです。英国などでは既に、外務連邦省がゲイの旅行者向けのガイダンスを改訂し、モスクワでのゲイ・プライド・マーチにおける暴力の可能性を指摘して注意を呼びかけていたりします

Pink Newsの記事によると、モスクワでは今年、100人のアクティビストが起訴覚悟で歩く予定だとのこと。ロシア人だけでなく、EUからの参加者も見込まれています。たとえば英国の人権活動家Peter Tatchellさんなど、2007年のモスクワ・プライドで

私がほとんど意識を失うまで極右過激派に殴られる間、警察はただ見ていた。それから警察は私を逮捕した。数時間留置された後、告訴はされずに釈放となった。私を襲った連中は、写真や動画にはっきり顔が写っているにもかかわらず、決して逮捕されなかった。

という壮絶な体験をしていますが、にもかかわらず参加予定だとのこと。

ユーロビジョン・ソング・コンテストは、こうした暴力への抑止力になるのでしょうか。それとも、例年通り力によるパレード弾圧が行われるのでしょうか。パレード参加者の無事を祈ります。

単語・語句など

単語・語句 意味
Foreign and Commonwealth Office 【英】外務(連邦)省
front (ジャズなどの楽団の)首席奏者を務める、(バンドなどを)率いる、…のリーダーをつとめる
prosecution 起訴
detention 拘置、留置
footage 映画・テレビの特定画面