ジェンダリズムうざい

通勤経路沿いにレンタルDVD屋ができて、ちょこちょこ借りに行くようになったんですが、そこのレジ係があたしをやたらと野郎と間違えるんですよ。ベリショーでジーンズはいててバイク用のメット持ってりゃみんな男かよ、おめでてーな。いやそれはまだいいんだけど、人の会員証(名前欄はふつーに女名前)をガン見したあげく、こっちを「他人(家族とか)の会員証でDVDが借りられると思ってる馬鹿男」と決めつけて「本日はご本人様のご利用でしょうかぁー?」とニヤニヤ聞いてきやがるのが心の底からうざいです。ちなみに「本人ですけど」と名乗るとあからさまに狼狽して(あたしの声は高いので、聞けばまず女とわかります)「失礼しましたぁー」とレジ作業に入るのよ毎回。
都合3回、これをやられました。会員証の不正使用なんか一度もしたことないのにいちいちこうして上から目線で不正使用者扱いされるムカツキと言ったら、筆舌に尽くしがたいもんがあります。免許証まできっちり提示して入会して、正真正銘本人しか借りてないのに、何なのよっ!?

そんで思ったんですけど、身分証明とかに性別欄を設ける意味ってあるのかしら一体。体も性自認も「女」である自分ですら、一般的に「これが女である」と認識される格好を、つまり「女コスプレ」をしていないとこういう目に遭う以上、目視で確認できる「性別」なんて、「外見的に『男コスプレ』をしてるか『女コスプレ』をしてるか」だけでしかないわけじゃない? そんなもんで人のIDを判断するのってどうよ。「正真正銘本人だとアイデンティファイしてほしければ、与えられた性別通りのコスプレをして生活しなさい」って、何か、変じゃない?

だいたい、人間を「男」と「女」のたった2種類に分けちゃうこと自体が野蛮で非科学的ですしね。染色体・性腺・外性器・内性器・性自認・普段のふるまいなど、細かく見ていくと、とてもじゃないけどたった2種類にカテゴライズし切れるものなんかじゃないでしょ人間なんて。それを無理矢理「こっちかそっちかどっちかにしなさい。そして、その役割通りのコスプレをしてなきゃ本人とは認めません」って、変すぎ。そんなの人間を「福耳族」と「エルフ耳族」の2種類に無理矢理分けて「オマエは福々しく生きろ」「エルフらしく生きろ」と強要するのと同じくらい無理があるわ。
ていうかさ、もしも一目で福耳ともエルフ耳とも判別できない耳たぶの人に、
「まぎらわしいからアンタ耳たぶ切断してエルフ耳らしくしなさい」
とか、
「医療用シリコンを移植して福耳らしくしなさい」
とかやってたら、それって紛れもなくただの暴力でしょ。なんでこと性別となると、メンタル面でも肉体面でも普段の服装やふるまいの面でもそれと同じことが看過されてるのか、わかんないわー。ジェンダリズム、うざい。ていうかあのレンタルDVD屋のレジ係は腹切って詫びれ。あまりにもムカついたんで、もう行ってないんですけどねそこの店。