シカゴのゲイバー「身分証明書のジェンダーと食い違う外見の人お断り」→非難を浴びる→解決策を模索中

シカゴのゲイバー「Hunters Nightclub」が「身分証明書のジェンダーと食い違う外見の人お断り」という決まりを設け、批判されているというニュース。

この決まりができたきっかけは、ドラァグクィーンの売春婦(複数)がクレイグリスト(地域情報を交換するための一種のコミュニティサイト)で自分の宣伝をするにあたってこのゲイバーの場所を告げている、という報告があったから。ゲイバーの経営者Peter Landorf氏は、シカゴ・トリビューン紙に対し、店を売春に使われたら営業許可を取り消されてしまうと語っているそうです。

しかしこの決まりはトランスとクロスドレッサーの顧客の怒りを買いました。「パートタイムのトランスジェンダー女性」と自認するある男性は、同紙の取材に対し以下のように語っているそうです。


「わたしはフルタイムのトランスではないので、免許証に『フェムな』写真を載せることは本当に不可能です」と彼は言った。「それが可能かどうかすらわかりません。……これは差別ですよ、まじりけなしの、そして単純な」
"Since I am not a full-time trans, it is not really feasible for me to have my 'femme' photo on my license," he said. "I do not even know if they would allow it. … This is discrimination, pure and simple."

そう、トランスが全員フルタイムでトランスなわけではないし、身分証明書の性別を変える/変えないの選択*1も人によってさまざまですよね。そもそもトランスとクロスドレッシングドラァグはみんな違いますし*2、さらに言うと売春するかしないかはその人のジェンダーアイデンティティおよびジェンダー表現とは無関係なはず。それなのにいきなり「売春禁止→ドラァグ禁止→身分証明書のジェンダーと食い違う外見の人お断り」というところまで突っ走るのはむちゃくちゃだとあたしも思います。批判を受けるのも当然なんじゃないでしょうか。

ちなみにこのバーは現在、別の解決策を模索中とのことです。

*1:もちろん、選択どころか「変えたくても変えられない」というケースもあると思います。

*2:正確に言うとかぶっている部分もありますが、100パーセントイコールではないはず。