総合格闘家ファロン・フォックス、トランス女性であることを公表

プロ総合格闘家のファロン・フォックス選手が、トランス女性としてカミングアウトしました。この5年間、トレーニングパートナーからも対戦相手からも女性として扱われてきた彼女ですが、マスコミが彼女の過去を探り始めたため、意に反してカミングアウトせざるを得なくなったとのこと。

詳細は以下。

フォックス選手が「間違った身体で生まれた」と両親に告げたのが10年前。父親にはゲイだと勘違いされ、異性愛者に「治す」ためのセラピーに連れて行かれたそうです。セラピー終了後、彼女はすぐホルモン治療を始め、6年前に性別適合手術ジェンダー再割り当て手術)を受けました。総合格闘家になったのは、その後です。

2013年3月2日、フォックス選手は対戦相手のエリカ・ニューサム選手に39秒でKO勝ちしています。その日の晩、勝利を祝うディナーの最中にマスコミから電話がかかってきて、探りを入れるような質問をされたのだそうです。同じ人物が彼女の元トレーナーにも電話を入れたとわかり、トランスであることが嗅ぎつけられたのだとわかったとのこと。それで3月4日、スポーツ・イラストレイテッドに自分からカミングアウトすることになったのだそうです。

なおスポーツ・イラストレイテッドによると、フォックス選手は4月20日に次の試合が予定されているものの、トランス女性だと公表したためにライセンスの問題が浮上しているとのこと。フォックス選手本人は、10年間もホルモン治療を受けて、しかも手術から6年もたっている今、男性として生まれたアドバンテージはもうないと主張しています。


「わたしは正式に、法的に、肉体的に、そして精神的に女性です」と彼女は言った。「わたしに関するすべてが女性なんです」
"I'm technically, legally, physically and mentally female," she said. "Everything about me is female"
実際、イリノイ州発行の運転免許証でも、はっきり女性と書かれているそうです。

トランスジェンダー女性のアスリートというと、テニスプレイヤーのレニー・リチャーズ選手という先駆者がいますよね。彼女もまた「元は男性なんだから」と試合出場を拒否されたことで有名です。ドキュメンタリーも作られて、日本でも放映されました。

裁判所がリチャーズ選手が女子として試合に出る権利を認めたのが1970年代後半。それから四半世紀以上たっているのに、まだこの騒ぎなわけですね。

ちなみに、ファロン・フォックス選手についてもドキュメンタリーが製作されるとのことで、その予告編がこちら。


どうなるんでしょう、彼女のライセンス問題。やっぱり裁判になっちゃうんでしょうか。