『放浪息子』1〜5巻(志村貴子、エンターブレイン)感想
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クイアな世界だと、たとえ大人であっても「自分は100パーセントこうだ!」って言い切れる人ばかりじゃないと思うんですよ。「自分が何者で何が(あるいは、誰が)好きなのか、そしてこれからどうなっていくのか」について、ゆらいでいる人や境界があいまいな人は多いと思います。ましてや小中学生ぐらいなら、不安定であって当然。この『放浪息子』は、そのへんのゆらぎをうまくとらえているなあと思いました。
あと、言うまでもなく、クロスドレッシングとトランスヴェスタイトとトランスジェンダーとトランスセクシュアルは全て別物*1で、さらに、異性装や「異性になりたい」と願うことは即同性愛に結びつくわけではない(そして、だからと言って即異性愛に結びつくわけでもない)んですよね。この作品は、そのあたりをごっちゃにせずにゆっくりとキャラクタの心の動きを追っている感じなのが、とても良かったです。
『青い花』を読んだときも思ったのですが、この作者さんは、クイアな世界の内側まで入り込んで当事者目線でお話を描くのが非常にうまい人だと感じました。読んでると、二鳥くん(さん?)や高槻くん(さん?)たちに向かって、ユキさんみたく「あたしはあんたたちみたいな子が大好き!」「へこたれていじけた子になっちゃだめよ。あんたたち、とってもいい子なんだもの」と言いたい気持ちでいっぱいになってきます。クイアな方にもそうでない方にもお薦め。
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*1:微妙に被ってる部分もないわけではないですけど。