レズビアンのアイスホッケー選手、カナダ代表チームを引退

カナダ女子アイスホッケーのスター選手でレズビアンのSarah Vaillancourt選手が、2013年4月18日、カナダ代表チームからの引退を表明しました。
詳細は以下。

Vaillancourt選手は27歳。ポジションはフォワード。ハーバード大学時代にパティー・カズマイヤー賞(米国大学女子ホッケーのトップ選手に贈られる賞)に輝き、五輪ではカナダ代表チームを2度の優勝に導きました。世界選手権でも2007年に優勝。

レズビアンとしてカミングアウトしたのは大学1年生のときですが、そのときのエピソードがなんだかすごいんです。


ハーバードでカミングアウトしたとき、彼女は自分はレズビアンで、もしチームがそのことを気に入らないのなら出て行くという態度をとった。大学の新入生でそんなことが言える人がどれだけいる?
When she came out at Harvard she expressed the attitude that she was a lesbian and if her team didn’t like it she would leave. How many of us would have been able to make such a statement as the new kid on campus?
いないいない、めったにいないよ!
元記事にもある通り、女子スポーツ界にはレズビアンの選手は多いけれど、公式に全世界に向かってカミングアウトしている人はまだ少ないよね。なので、Vaillancourt選手はサッカーのメーガン・ラピーノやバスケットボールのブリトニー・グライナーと同じぐらい、ロールモデルとして大きな役割を果たしてきた人なわけ。

同選手は2010年以来、腰のけがで1回、鼠径部痛症候群(スポーツヘルニア)で2回手術を受けており、フルシーズン戦えない状態が続いていました。The Globe and Mailによると、昨年は何度も「もうダメだ」と思って泣いたそうです。その後、2013年の代表チームに選ばれ、世界選手権で銀メダルを獲得。ここで代表チームを引退するのが「完璧な幕引き(a perfect closure)」だということで、今回の引退声明となったのだそうです。

代表チームをやめてもホッケーそのものをやめるわけではなく、今後はカナダ女子ホッケーリーグモントリオール・スターズでプレイを続けるとのこと。なお、カナダ代表チームのダン・チャーチ(Dan Church)監督は、Vaillancourt選手の引退で28人から27人に減った選手名簿をそのままにして、補充はしていないのだそうです。監督は以下のように話しています。


「Sarah Vaillancourtのような選手が他にいるのなら、その選手を入れたかもしれません。しかし、選手の中に、もうひとりのSarah Vaillancourtはいないのです」
“If there was another player like a Sarah Vaillancourt out there then maybe we would add her, but there isn’t another Sarah Vaillancourt in our pool,”