ゲイのモルモン教徒、周囲にカミングアウトし反応をYouTubeで公開

モルモン教徒でゲイのジミー・リー・ヘイルズさんが家族や友人にカミングアウトし、その様子をおさめた動画をYouTubeで公開しました。モルモン教ってつまり、教会の持ってる広場でキスをしたゲイカップルをひきずり倒して手錠をかけたこともあるアンチゲイな宗教ですよ。ジミーさんの大学はブリガムヤング大学、つまりモルモン教がやってる学校です。その環境でこれをやるって、すごい勇気です。

詳細は以下。

動画はこちら。英語字幕がついてるので、リスニングが苦手な方が見てもわかりやすいと思います。

この動画でなによりも魅力的なのは、ジミーさんのキュートでファニーなキャラですね。中国系の友達には中国語で、聴覚障害者の友達には手話でカミングアウトしているところも面白いです。さらに興味深いのは、カミングアウトされた皆さんが意外と受容的なところ。「お前を誇りに思うよ。すごいよ」というお父さんも、「今も(ゲイだとわかっても)大好きだよ兄さん」「道理であんまり女の子に話しかけないと思ってた」と答える弟くんも、なんだかステキです。

とは言えやっぱり、見ていて「ああ……」と思ってしまう部分はあるんですよね。顔をひきつらせつつ、冗談だということにして笑って流そうとする人とか、「結婚しないのか」「バイセクシュアルではないのか」などとズレたことを聞いてくる人とか、「ああ日本にも山ほどいるわ、こんな人」と思いました。いや、それでもお姉さんからの「おっぱいでさえ好きじゃないの?」という質問(ジミーさんは笑いながら『おっぱいは好きじゃないよ』と答えてます)には、つい笑っちゃいましたが。

あとね、ジミーさん本人が言ってる、「ゲイのモルモン教徒であるということは、一生禁欲を守るということだ」というのもちょっと悲しいなと思います。これってモルモン教のみならず一部のキリスト教会でも言ってる、「同性への欲望を抱くことは罪ではないが、それを実行に移すことは罪である」っていう説を肯定しちゃってることになりますから。この説って、要するに「罪を憎んで人を憎まず」みたいな寛容さを気取っているだけのただのホモフォビアですし、そこは看過しちゃいかんと思うのよ。

何にせよ、カミングアウトというのは打ち明ける瞬間よりそれから後の方が大変なので、彼の今後に幸あれと思います。10万回以上も視聴されているこの動画を機に、「かつてはユニコーンと同じぐらいあり得ない存在だとされていた」(元記事より)ゲイのモルモン教徒がもっと可視化されるといいですよね。