アメリカ人は「同性愛者はもっとも差別されている」と考えている:米調査機関の調査で判明
米国の非営利調査機関ピュー・リサーチ・センターのおこなった世論調査で、アメリカ人はいくつかのマイノリティの中で同性愛者がもっとも差別されているとみなしているという結果が出たというニュース。
以下、元記事内の表をざっと訳して引用してみます。
以下の人々に対して多くの差別が存在しますか? はい いいえ イスラム教徒 58% 29% ユダヤ教徒 35% 54% 福音主義教会のキリスト教徒 27% 56% 無神論者 26% 59% モルモン教徒 24% 56% ゲイとレズビアン 64% 30% ヒスパニック 52% 41% 黒人 49% 46% 女性 37% 59%
この調査が行われたのは2009年8月。調査は複数の集団を対象に行われ、回答者数は前半の宗教関係の項目5つについては2010人、後半の同性愛者・ヒスパニック・黒人・女性に対する差別については約1000名。なお、「はい」と「いいえ」を足しても100パーセントに達しないのは、「わからない」と答えた人や無回答の人もいるからだそうです。
この調査自体の目的はアメリカ人のイスラム教およびイスラム教徒に対する態度を調べるというものだったとのことですが、ゲイとレズビアンってイスラム教徒よりなお差別されている存在だと受け止められているんですね。もっとも、実際の差別の多い少ないと、「差別されている」という認識がどれぐらいあるかとは別物なので、(たとえばレイシストは『黒人は差別されてない、怠け者なだけだ』と決めつけ、ミソジニストは『女性は差別されてない、それどころか優遇されている』と信じ切っているなんてこともあります)これをもってして「ゲイとレズビアンが実際にいちばんひどく差別されている」と言うことはできません。それでもやはり、この数字はショックです。そのうちアメリカ政府が「テロとの戦い」とやらに飽きて今度は同性愛者を仮想敵に据え、大弾圧を始めたらどうしようとか思っちゃいましたよ(外圧もあるだろうし、まさかやらないでしょうけど)。
なお、ピュー・リサーチ・センターの調査結果そのものは以下のPDFで読めます。ご興味がおありの方はどうぞ。