オープンリー・レズビアンの格闘家、UFC女子部門バンタム級タイトルに挑戦!(日本でも生中継されます)


レズビアンであることを公言している総合格闘家リズ・カムーシェ選手が、UFCに新設された女子部門のバンタム級タイトルマッチに挑戦するそうです。カムーシェ選手は沖縄生まれの元海兵隊員。この試合は、日本時間で2013年2月24日におこなわれる予定で、日本でも生中継されます。

詳細は以下。

動画や上記リンク先の写真を見ればわかるけど、筋肉すごいわカムーシェ選手。惚れる。絶対録画して、応援もする!! なお、UFC−究極格闘技−|WOWOWオンラインによると、この試合の日本での放映予定は以下の通り。


[WOWOWプライム][生]2/24(日)午後0:00
[WOWOWライブ][再]3月放送予定

さて、こんなに強そうなカムーシェ選手ですが、海兵隊時代にはつらいことも多かったそうです。以下、Outsportsより引用。


「わたしはいつも、誰かがわたしの性的指向を暴露しようとしているのではないか、自分は階級を剥奪され、軍隊から蹴り出されて不名誉除隊となってしまうのではないかと思って戦々恐々としていました」とカムーシェは語った。
“I was always looking over my shoulder wondering if someone was trying to out me and if I would lose my rank, get kicked out of the military and be dishonorably discharged,” Carmouche said.

彼女が軍人だったのは2010年まで。米軍が悪名高い"Don't Ask, Don't Tell"(『聞くな言うな』:同性愛者/両性愛者の兵士が性的指向をオープンにしたら首にするというポリシー)を撤廃する前のことですから、さぞかし大変だったことと思います。


海兵隊の親友で、キムという名前の子は、ある日わたしたちがイラクにいるとき、軍隊の同性愛者は前線に配置されるべきだ、死んで当然の存在なんだからと言いました。いちばん親しかった友人に言われたのがこれなんですよ」
“My best friend in the Marines, her name is Kim, said one day while we were in Iraq that homosexuals in the Forces should be put on the front line because they deserved to die. This was my best friend talking”
あるあるこういうこと。すごくよくある。カムーシェ選手はこれで、除隊するまではカミングアウトできないと考え、軍をやめるときに初めてキムさんに電話で「ねえ、わたしあなたが殺したいと思ってる人たちのひとりなんだけど」と告げたのだそうです。そこからの話が、また興味深いんだ。


「わたしはキムがわたしをどんな気持ちにさせるかまったくわかっていませんでした。……彼女は180度変わって、あなたが大好きで、あなたが傷つくところは絶対に見たくないと言ったのです。キムは自分がどんな風に育ったかを話してくれました。彼女は同性愛者に会ったことがなく、自分の話していることがよくわかっていなかったのです。
今日にいたるまで、彼女は同性愛者への見方を変えてくれてありがとうと言っています。それに今では、彼女は自分が昔なぜホモフォビックだったのか想像もつかないと言っています」
“I was very blunt about how she’d make me feel… and she did a total 180. She told me she loved me and would never, ever want to see me get hurt. She said the way she grew up, she’d never met a gay person and didn’t know what she was talking about.
“To this day she thanks me for changing her views on gay people and now says she can’t imagine why she was ever homophobic.”
ええ話やー。ちなみに格闘家に転向してからは、UFC初のオープンリー・ゲイな選手としてチームメイトやファンから支持され、「歴史の一部となることにわくわくしている」とのこと。

UFC−究極格闘技−|WOWOWオンラインによると、今回の対戦相手にして初代バンタム級チャンピオンのロンダ・ラウジー選手は北京オリンピックの柔道銅メダリスト。プロの総合格闘家としての戦績は、6戦全勝だそうです。一方、リズ・カムーシェ選手の戦績は7勝2敗。2月24日の生中継は、もうテレビの前で正座する勢いで観戦しようと思います。ロンダの腕ひしぎ十字固め(なんと6戦全部これで勝ったらしい。さすが元柔道選手)に気をつけるのよ、リズ!

おまけ

カムーシェ選手のファイト動画1:ジャン・フィニー戦。

マウントポジションからのパンチ連打でTKO勝ち。

カムーシェ選手のファイト動画2:ケイトリン・ヤング戦。

足を取ってテイクダウンし、裸絞めで勝利。

UFC初のレズビアン選手としてインタビューを受けるカムーシェ選手。