トランス女性総合格闘家フォックス選手に続々と支援

2013年3月4日にトランス女性としてカミングアウトした総合格闘家、ファロン・フォックス選手のもとに、続々と支援の声が集まっています。個人的にはレズビアンUFC戦士リズ・カムーシェが「喜んで対戦する」と言ってくれたのがとても嬉しかった。カムーシェVSフォックス戦、ぜひ見たいぞ!!

医師2名が「アンフェアなアドバンテージはない」と意見

フォックス選手が男性の身体で生まれたことが総合格闘技において有利かという質問に対し、2人の医師が以下のように答えています。


Marci Bowers医師:フィジカルな力はほとんどの基準において最小化され、筋量が減少し、骨密度が減少し、筋肉組織は女性のそれにかなり似たものになります。彼女の場合ほど多くの時間が経過していれば、もしテストした場合、生まれつき女性である対照群と同じ筋量の範疇にあるという結果が出るでしょう。
Dr. Marci Bowers: Most measures of physical strength minimize, muscle mass decreases, bone density decreases, and they become fairly comparable to women in their musculature. After as much time as has passed in her case, if tested, she would probably end up in the same muscle mass category as her biologically born female counterpart.

Sherman Leis医師:彼女はとても長い年月それ(ホルモン治療)を受けているので、たとえ少しでも差があるとしても、おそらく有意のアドバンテージはないでしょう。特に、彼女は男性として生活していたときでさえ、大柄な男性ではありませんでしたから。彼女は5フィート7インチ(訳注:約170.2cm)で細身であり、つまりは平均的な女性のサイズです。とても長い間ホルモンを投与していて、手術も受けていることから、彼女の筋量、骨密度、筋力はおそらくほとんどの女性と同じでしょう。

Dr. Sherman Leis: She's been doing that (hormone therapy) for so many years, that she probably does not have a significant advantage, if any at all. Especially because she wasn't a big man when she lived as a male. She's 5'7 and slight of build, and basically the size of an average female. Factor in that she's been on hormones for so long, and has had the surgery, she more than likely has the muscle mass, bone density and strength of most females.

前回の記事でも書きましたが、フォックス選手がホルモン療法を始めたのが10年前、性別適合手術ジェンダー再割り当て手術)を受けたのが6年前です。ちなみにNCAA(全米大学競技協会)のルールでは、トランス女性は、テストステロンを抑える治療を1年間受けた後なら女性として競技に参加できることになっています。

リズ・カムーシェ、フォックスと対戦すると表明

オープンリー・レズビアンUFCファイター、リズ・カムーシェ選手が、フォックス選手がUFCバンタム級に来るのなら喜んで対戦すると話しています。


実は総合格闘技の番組で数ヵ月前にファロン選手に会いました。彼女はやってきて自己紹介して、こう言ったんです。「ねえ、わたしもファミリーの一員なのよ……」彼女に関するここ数日の報道を見て、あの意味がわかりました。
I actually met Fallon at a MMA show a few months ago. She came up and introduced herself and said “Hey, I’m part of the family…” so when I saw the reports about her over the last few days I understood what she’d meant.

彼女が今地方の団体で戦っていることは知っていますが、もしUFCに来て135ポンドの女性バンタム級で戦うのであれば、喜んで対戦します。とは言え、これはあくまで仮定の話ですけどね―わたしが確かに言えることは、LGBTのアスリートが彼女が今いるようなスポットライト下にいるというのがどんなことがわたしにはわかっているということ、そして、彼女がLGBTコミュニティによって支持されたらうれしいということです。
“I understand she fights in a regional organization right now but, if she makes it to the UFC, and fights in the 135lbs female bantamweight division, I’d be happy to fight her. But that’s all hypothetical – what I can say for sure is that I understand what it is to be a LGBT athlete in the spotlight like she finds herself in right now and that I’m glad she’s got the support of the LBGT community behind her.”

「フォックスに戦わせろ」総合格闘家ダミアン・ノリスが動画でメッセージ

総合格闘家のダミアン・ノリス選手が、YouTubeFacebookでフォックス選手への支持を呼びかけるメッセージをupしています。

YouTubeのコメントで、ノリス選手はフォックス選手が意に反してカミングアウトせざるを得なくなった経緯を説明し、この騒ぎを「ケージの外での戦い」と呼んでいます。さらに、総合格闘技のファンにとってはトランス選手がアンフェアなように思えても、ボクシングやムエタイモータースポーツ、陸上、テニス、スキーなどの競技では既にトランスジェンダー選手を受け入れてきた歴史があると説明し、総合格闘技はそこに新たに加わったのだと述べています。

ダニエル・ピューダー選手もフォックス選手を支持

総合格闘家ダニエル・ピューダー選手もフォックス選手支持を表明。

Outsportsのシド・ザイグラー氏の取材に対し、ピューダー選手は、「彼女がスーパースターだったときには一緒に写真を撮りたがったファンたちが、今になってたわごとを言うのはおかしい」とし、「デイナ・ホワイト(訳注:総合格闘技イベントUFCの代表)が彼女を戦わせるのなら、戦えて当然だ」と主張しています。

しかし、ライセンスの問題で4月20日の試合は延期に

ESPNによると、ライセンスの問題で、4月20日に予定されていたフォックス選手の試合は延期とされてしまったそうです。

現在フロリダ州ボクシングコミッションが、彼女のライセンスについて再検討しているとのこと。さっさとルールを整備して、カムーシェVSフォックス戦を実現してください、頼む。