英米のAmazon、「ホモフォビックな」カレンダーの販売を中止


ある米国製の2012年用イラストカレンダーが、ゲイ男性のステレオタイプを描いたものとして批判を浴びています。米大手書店バーンズ・アンド・ノーブルが販売を中止したのち、米国・英国のAmazonもこのカレンダーを売るのをやめたとのこと。

詳細は以下。

問題のカレンダーの表紙画像は、上記リンク先の両方で見ることができます。ヒゲの男性がピンクのハイヒールをはいてくねくねしながら「私はゲイじゃない。女々しいだけなの」( I’m Not Gay, I’m Just a Sissy )と言っているというもので、米国のクリスチャンの漫画家Joe King氏によるものだそうです。ちなみに個別の月々のページには、ゲイ男性の女々しさやAIDSについてのジョークも含まれているとか。

この表紙だけ見ると、いったいこれが皮肉なのか大真面目なホモフォビアなのか判断がつきかねるような気もします。しかしPinkNewsによると、ゲイブログやLGBT団体からの批判を受けたKing氏は、facebookで「軽蔑された彼または彼女の怒りは地獄より怖い……("Hell hath no fury like a he/she scorned…")」とふざけてみせたとのこと。さらに他にも問題発言があったことを、Pinknewsは指摘しています。


彼は付け加えた。AIDSは「選択的な病気」であり、「男たちがお互いに突っ込み合うのをやめればなくなる。女性や子どもが感染する悲劇については……それは、ゲイの夫や父親が妻子を裏切るのをやめればなくなる。こんなことを理解するのに、これ以上教育だの、科学だの、資金だのが必要なやつがいるのか?」

He added that AIDS was an “elective disease” which would stop “the day guys quit sticking it to each other. And for the tragedy of women and children infected… THAT stops the day their gay husbands and fathers stop cheating on them. Anyone need MORE education, science or funding to understand THAT?”

すげーな。女子どものAIDSまで全部ゲイ男性のせいかよ! あともうひとつ、ノンケ男性やレズビアンのAIDS患者はガン無視かよ!

PinkNewsの報道では、2011年12月30日の時点でこのカレンダーには米Amazonで727個、英Amazonで35個の否定的レビューがつけられていたそうです。Towleroadはその翌日、「Amazonが販売を中止した」と報じています。試しに今(2012年1月2日)確認してみましたが、どちらのAmazonにももうこの商品はありませんでした。

Christian Postによると、King氏は自分のブログで以下のように述べているそうです。


「ゲイたちは私のカレンダーを引っ込めさせるため、ブログを利用してネガティブなコメントを寄せ集めている」

“The gays are using some online blog to muster [enough] negative comments to have my calendar pulled,”

そもそも最初にゲイに対してネガティブなことを書き、あまつさえ印刷して大々的に販売しようとしたのが誰なのかわかっていらっしゃらないようで。「人の顔に唾をひっかけておいて、抗議されるとあたかも被害者のようにふるまい出す」というのは日本のホモフォーブにもよくみられる現象ですが、どこでも一緒なんですね、これ。とりあえず抗議がAmazonに通じてよかったです。