オランダ社会調査局、同性愛に対する受容度の調査結果を発表

オランダ社会調査局(SCP)の調査で、同国では同性愛者の権利を支持する人は増えた一方、学校などには根強い偏見が残っていると判明したというニュース。

この調査によると、2006年にはオランダで同性愛に「真剣に反対している」人は全体の15%だったのに対し、2009年には約9%にまで減少したんだそうです。一方、5人に1人は同性愛者が養子を迎えることは許すべきでないと考えており、10人に1人は同性婚は廃止すべきだと思っているとこのこと。また、全体の40%が、男性2人が街中でキスしているのを見ると不快感を抱くと言っているんだそうです。

学校での同性愛嫌悪となると、もっとひどいことになっています。以下、箇条書きで列挙。

  • 学校に通う児童たちの3分の1は、ゲイの友達は性的指向を隠しておくべきだと考えており、また、女々しい男は「本物の男ではない」と思っている
  • 若いゲイ男性の半数は自殺を考えたことがあり、同性愛者の少年の9%、少女の16%に自殺未遂の経験がある
  • レズビアン・マザーの61%が、子供が母親のことでいじめられていると言っている

オランダは同性婚が合法化されている国で、アムステルダムでは50万人もの観客が押し寄せるゲイ・パレード「Canal Parade」が盛大に開催されています。2009年には、この「Canal Parade」に参加する兵士が制服を着用してよいことになったり、中等学校の生徒たちが先生方と一緒に参加することが決まったりもしていました。モスクワのゲイ・プライド・マーチ「スラヴィック・プライド2009」でも、オランダ大使館はマーチに参加した自国民を助けようとしていました。そんな国でもまだまだこんな状態なわけですね。デンマークの例もありますし、結局こういうのって、教育に力を入れて長期的にがんばっていくしかないんだろうなと思います。

単語・語句など

単語・語句 意味
SCP 社会文化局