「小学校で同性愛教育を」アムステルダム市長が発言

2010年8月5日、オランダの「Spits」紙で、アムステルダムのファン・デル・ラーン市長が、小学校で同性愛について教えるべきだと述べたというニュース。小学生は規範と価値観を学ぶには理想的な年齢だからというのがその理由だそうです。以下、市長の発言。


「子供たちは、オランダでは男性ふたりが腕を組んで街を歩くのは正常なことだと学ばなければなりません。私は学校にそれに携わってほしいのです」
'Children have to learn that its normal in the Netherlands for two men to walk down the street arm in arm. I want to involve schools in that,'

必要ですよね、こういう教育。誰かが教えなきゃ、一生偏見を刷り込まれたままですから。日本では性に関する教育というと、「寝た子を起こすな」「大人になれば『自然に』わかる」論を唱えたがる人が多いと思いますが、いち同性愛者として言わせてもらうと、「自然に」なんかわかりゃしませんよ。特にLGBTに関しては、メディアの中のステレオティピカルなセクマイ像や、周囲のシスヘテロの(本人は無自覚でも)差別的な言動ばっかり見て育ったら、「なんか知らんがタブーなんだ」「悪いことなんだ」と刷り込まれて終わりでしょ。自分から本を読んだりして知識を身につける人なんて、ほんっっとに少数なんですからね。

ちなみにオランダの学校における同性愛嫌悪については、先日オランダ社会調査局、同性愛に対する受容度の調査結果を発表 - みやきち日記でお知らせした通り。少し引用しておくと、こんな感じらしいです。

  • 学校に通う児童たちの3分の1は、ゲイの友達は性的指向を隠しておくべきだと考えており、また、女々しい男は「本物の男ではない」と思っている
  • 若いゲイ男性の半数は自殺を考えたことがあり、同性愛者の少年の9%、少女の16%に自殺未遂の経験がある
  • レズビアン・マザーの61%が、子供が母親のことでいじめられていると言っている

子供を自殺に追い込むような社会が良い社会だとは、あたしには思えません。初等教育は大事だと思います、やっぱり。