フランス、トランス女性に「性別変更するには胸を増やせ」と要求
フランスがあるMTFトランスに「女性に性別変更したければ豊胸しろ」と要求し、トランス団体から非難が巻き起こっているというニュース。
このトランス女性は、仏空軍に勤務するDelphine Ravisé-Giardさん。2007年に豊胸手術やSRS(性別再判定手術)なしでトランジションしたとのことですが、空軍は彼女の性別変更に好意的で、名前や書類上のジェンダーも進んで変えてくれたんだそうです。しかし、完全にジェンダーを変更するには、民事裁判所の公式な許可が必要。そして2009年、民事裁判所はRavisé-Giardさんのジェンダー変更を却下してしまいました。当時のフランスでは、ジェンダーを変えるにはSRSを受けねばならないとされていたからです。空軍は、せっかく変えたRavisé-Giardさんの記録上のジェンダーを、また「男性」に戻すことを余儀なくされました。
その後2010年3月に、同国法務省が「SRSはトランス男性/女性のジェンダー認定の必要条件ではない」という決定を下しました。これは、ヨーロッパ人権委員会と同じ見解です。ところが、これでようやくRavisé-Giardさんのジェンダー変更が認められるかと思いきや、今度はナンシー市の主任検察官がこんな主張を始めたとのこと。「女性であるためには胸が必要である:女性と認められるためには、胸の大きさとパフォーマンスがフランスの法規に合致していなければならない」
で、Ravisé-Giardさんはいまだ「男性」と判定されたままなんだそうです。
わけがわからない裁定です。女性と認定されるのに胸が必要なんだとしたら、たとえばネイティブ女性が乳がんで胸を取ったら強制的に「男性」にされちゃうわけ? そもそも超貧乳女子や、第二次性徴前の女子はどうなる? 国がいちいち巻き尺片手にバストサイズを測って「はいアンタは女性、アンタは男性」って判断でもするの?
以下、Ravisé-Giardさんの言葉。
「国の要求はばかげていますが、これがこの国の求めていることなんです。私はホルモン療法で得られた進歩に満足していますが、国の意見では、手術で豊胸するという処置を取らない限り、私は本気でジェンダー変更しようとしていないということになってしまうんです」
“The request is ridiculous but this is what the state demands. I am satisfied with the progress I have made through hormones but as far as the state is concerned, unless I take steps to augment what I have now through surgery, I am not being serious about my gender change.
Pinknewsのコメント欄が皮肉でよかったです。
これは全部、フランスのブラジャー産業がブラを売るための陰謀では。
I think it's all a conspiracy from the French bra industry to sell bras.
次にフランスのお偉方が彼女に要求するのは、ある種のやり方で胸を揺らして、それから膝の上に座ることだろうよ。やつらはそういうやり方でしか、彼女が自分たちが好むような「女性」のたぐいだという確信が持てないんだ。
Next request the French authorities make will be that she shake them in a specific manner, and then sit on their laps, it's the only way they can be sure she'll be the kind of woman they like.