米ペンシルベニアの学校、卒業式でのトランス生徒の新名使用を拒否

米ペンシルベニアの学校長、トランス少年のプロム・キング立候補を拒否 - みやきち日記の続報。先日トランスジェンダーの男子生徒がプロム・キングに立候補するのを妨害したレッド・ライオン・エリア・シニア・ハイスクール(Red Lion Area Senior High School)が、今度は卒業式でこの生徒を女性名で呼ぶと言っているそうです。

詳細は以下。

この生徒アイザック・ウルフ(Issak Wolfe)くんはトランスジェンダーで、家族も彼女も友だちも、そしてほとんどの教師たちも、彼を男性として扱っています。それなのに、このハイスクールのマーク・シュー(Mark Shue)校長は、プロム・キングに立候補したウルフくんの名前を候補者リストに載せず、女性名でプロム・クイーン候補者名簿に載せてしまいました。「キングはいつでも男性に決まっている」というのが、校長の言い分だそうです。

Change.orgでは、この一件に反対し、卒業証明書では男性名を使うようにと求める署名が既に4000人分以上集まっています。またACLUも、同校に対し生徒のジェンダーアイデンティティーを尊重するように求める手紙を4月25日に出しています。にもかかわらずこの学校は、卒業式で卒業証明書を渡すときに、ウルフくんの男性名ではなく女性名を呼ぶと言っているのだそうです。

よくわからないのは、ウルフくんが卒業式で男子用の黒いガウンと帽子を着用することは許可されているということ。女子用の黄色のガウンと帽子は着なくていいんだそうです。それでいて、なんで名前だけ頑なに女性名を使おうとするんでしょう。「ここまで譲歩してやったんだから後はこちらの好きにさせろ」ってこと? 

ちなみにペンシルベニアACLUのレジー・シャフォード(Reggie Shuford)常任理事によると、学校にはウルフくんの男性名を拒否できる法的根拠はないんだそうですよ。それにだいたい、これって教育者自ら生徒たちに向かって「人のアイデンティティーなど軽視していい」と示すってことだよね。ものっそい迷惑なので、やめてほしいです。